レクサスNX 350h E-Fourへ英国試乗 セグメント牽引も可能な洗練性

公開 : 2022.02.14 08:25

印象的な洗練性と、先進的なテクノロジー。競合に劣る部分はあるものの、有力な選択肢だと英国編集部は高く評価します。

技術の刷新を目立たなくする見た目の変化

近年、欧州でのレクサスの存在感が拡大している。特定の年齢層では明らかに。プレミアム・ブランドになろうという、成長段階は既に過ぎた。レクサスは独自の方向性を発見し、独自のクルマを生み出している。

好きになるか、そうではないか、という段階にある。判断はそれぞれだ。

レクサスNX 350h E-Four(英国仕様)
レクサスNX 350h E-Four(英国仕様)

2代目へと進化したNXは、現在のレクサスを象徴している。中型SUVとして初代が登場したのは2014年。アウディQ5レンジローバー・イヴォークに注目が集まっていたタイミングだったが、オリジナリティのあるモデルだった。

競合とは異なるプロポーションで構成され、模倣ではないスタイリングを得ていた。初代NXは支持を集め、世界各国で販売した数は100万台以上。英国を含む欧州でも、人気車種へと躍り出た。

そんなNXが2代目へと進化した。レクサスが何をわれわれに見せてくれるのか、肯定的な気持ちを抱かずにはいられない。

新しいNXは、初代の特徴的なスタイリング要素を維持しつつ、さらに洗練されたデザインを獲得していると思う。ただし、新旧の違いを理解するには、じっくり観察する必要がある。

わかりやすい変化はテールゲート。楕円にLのロゴではなく、LEXUSとクロームメッキの文字が並ぶようになった。近年の流行に沿っており、配列が視覚的に心地良い。

それ以外の見た目は、内部に施された技術的な刷新を目立たなくしている。ベースの骨格がトヨタRAV4と同じTNGA-Kプラットフォームに置き換えられ、ボディサイズは成長しているが、外見からはそれを匂わせない。

人間工学的に優れた操作系と高い知覚品質

特に触れるべきは、シャシー剛性を高め、左右のタイヤ間隔、トレッドが広げられたこと。それに伴い重心位置も下がっている。インテリアも一新され、ブランド最新のインフォテインメント・システムが与えられている。

パワートレインは、欧州では自己充電と呼ばれる、シリーズパラレル方式のハイブリッドと、よりパワフルなプラグイン・ハイブリッド(PHEV)の2種類。今回試乗したのはNX 350hのFスポーツで、前者となる。

レクサスNX 350h E-Four(英国仕様)
レクサスNX 350h E-Four(英国仕様)

テールゲートを開くと、広い荷室が現れる。そのフロア下にも、使い勝手の良い収納スペースが用意されている。

一方で、車内空間は同クラスのSUVでは狭めな方。前後シートに不足ない広さは用意されているものの、身長の高い大人の場合、運転席の足元空間が充分ではないようだ。シートはサポート性に優れ、座り心地は良い。

インテリアで称賛したいのが、人間工学的に優れた操作系のレイアウト。ダッシュボードの知覚品質もかなり高い。

レクサス・リンク・プロと呼ばれるインフォテインメント・システム用タッチモニターは14.0インチ。操作しやすい位置にあり、ソフトの反応も良好で、直感的に使える印象だった。

ステアリングホイールのスポークには多機能パッドがあり、ヘッドアップ・ディスプレイの切り替えも可能。運転中でも視線をそらすことなく、各機能を操作することもできる。

深く考えられており、機能的だった。他メーカーも参考にしてほしいと思うほど。1点、センターコンソールのグロスブラック・パネルは、指紋が残りやすい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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