世界展開 米フィスカー、新型EV「オーシャン」欧州導入 自社工場を持たないビジネスモデルとは

公開 : 2022.02.07 19:25

体験型店舗を中心とした販売

ヘンリック・フィスカーCEOはAUTOCARの取材に対し、バッテリーとパワートレインは「今年選定した」ものであり、オーシャンの欧州市場投入を少し前に控えた段階だったと述べている。その理由は、「自動車業界では、車両開発に4年ほどかかるのが一般的なサイクルなので、(消費者が)購入するときには2年半から3年前の技術を使用している」ためだという。

「それを、2年半という短い開発期間に変えようとしているのです。その秘訣は、素晴らしいエンジニアリングと開発チームを持っていることにあります。当社は高品質のクルマを作るため、マグナ社と緊密に連携して生産を行います。工場を建てたり、クルマの作り方を指導したりする必要はないのです。それが当社のビジネスモデルの利点であり、差別化要因となるでしょう」

フィスカー・オーシャン
フィスカー・オーシャン

生産を外部委託することで、フィスカーの諸経費は大幅に削減される。また、都市部にあるいわゆるエクスペリエンスセンター(体験型店舗)を中心とした従来にない販売ネットワークや、遠隔地からの納車・サービスも同様だ。現在はロンドンにエクスペリエンスセンターを新設する予定で、来年のオープンを目指している。

英国での価格は3万4990ポンド(約545万円)からとなっているが、本拠地の米国では3万7499~6万8999ドル(約430~780万円)で販売される。フィスカーCEOは、欧州で製造することで輸入税やコストを抑えられると述べている。

オーシャンは、フィスカーが計画するEVシリーズの第1弾である。このモデルに続いて、テクノロジー大手フォックスコンと共同開発した新モデル「プロジェクト・ピア」が、2023年末から手頃な価格帯で発売される計画だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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