2億円超でも1週間で完売 ゴードン・マレー最新作「T33」 コスワースV12が唸るスーパーカー

公開 : 2022.02.08 06:05

自動車デザイナーのゴードン・マレー率いるGMAの新型スーパーカーは、限定100台が完売したとのことです。

公開から約1週間で完売 世界中から受注

ゴードン・マレー・オートモーティブは、100台限定の新型スーパーカー「T33」を完売したと発表した。同社によると、137万ポンド(約2億1300万円)のT33は、公開から約1週間で世界中から注文が入ったという。納車は2024年に開始される予定。

まったく新しいカーボン・アルミニウム製モノコックシャシーを採用したT33は、T50よりも全長がわずかに長く、2人乗り仕様となっている(T50は3人乗り)。コスワース製3.9L V12エンジンを特別にアレンジして搭載し、低速トルクは向上しているが、レブリミットはT50の1万2000rpmから1万1100rpmとわずかに低くなった。

ゴードン・マレーT33
ゴードン・マレーT33

フラッグシップモデルのT50の下に位置する「より実用的」なモデルとのことで、新開発のパッシブ・アンダーボディ・エアロダイナミクスを採用し、速度に応じてダウンフォースを発生させる。

車重はT50より100kgほど増えた一方、価格も100万ポンド(約1億5000万円)ほど安くなった。

ゴードン・マレー・オートモーティブ(GMA)の創設者であるゴードン・マレーは、「もしスーパーカーを1台しか持てないとしたら、T33はその1台になるように設計されています」と語る。

マレー氏の「愛」 優雅で整然としたフォルム

他の点でも、T50とT33は密接な関係にある。全長はポルシェ718ボクスターとほぼ同じだが、重量は200kg以上軽い。ボディプロポーションは大きく異なるが、慎重に作られたファミリールックを共有している。両車のスタイリングは、マレーと彼のデザインアシスタントであるケビン・リチャーズが担当し、少人数のCADモデラーチームとともに社内で制作した。

マレーは、1960年代のエキゾチックカー(特にアルファ・ロメオ33ストラダーレ、フェラーリ・ディーノ206SP、ランボルギーニ・ミウラ)への「愛」を反映し、優雅で整然としたフォルムを実現した。単にマレー自身の好きなものを真似るのではなく、時代を超えたディテールやフォルムを見極め、今後数十年に渡って美しさを維持するという長期的な目標を掲げている。

ゴードン・マレーT33
ゴードン・マレーT33

「T33は、25年ほど前から頭の中にあったのですが、これまで作るための設備がなかったんです。わたしのデザインには、すべて“T”の名がついています。例えば、T25とT27は都市向けの小型車、T34はオックス・トラック、T37はTVR(グリフィス)のプロジェクトでした」

「時代を超越したスーパーカーをずっと計画しており、当初は3.3Lエンジンの搭載も考えていたので、33という数字を選んだんです。そして今、ついに実現しました」

GMAは、以前から発表している「100台以下」の原則のとおり、T33を100台だけ生産する予定だ。今年の夏にプロトタイプを走らせ、2024年から納車を開始する。

また、T33のスピンオフモデルが2台計画されている。マレーによると、それらはロードスターと、T50sニキ・ラウダの流れを汲む「サーキット専用モデル」になるようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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