いろんな意味で「尖った」クルマ ウェッジシェイプの名車・迷車 19選 

公開 : 2022.02.12 18:05

フェラーリ365 GT4

フェラーリは、デイトナのフロントエンドをはじめ、すでにウェッジシェイプに取り組んでいた。しかし、このデザインの旗手は、1972年に登場した365 GT4である。ピニンファリーナが手がけたこのモデルは、それまでの曲線美から大きく脱却し、1990年代まで続くデザインの方向性を決定づけた。

このルックスのおかげで、4人乗りのキャビンはより広々としたものになった。後に400、412とパワーアップしていったが、シンプルなシルエットは変わらない。

フェラーリ365 GT4
フェラーリ365 GT4

フィアットX1/9

多くの人がMGミジェットやトライアンフ・スピットファイアを買う中、フィアットはもっとモダンな路線があると考え、X1/9という完璧なウェッジを作り上げた。ポップアップ式のヘッドライトでフロントを低くすっきりさせ、タルガ・ルーフでスポーツ性を高めたシンプルなルックスだ。

その性能は速いというより爽快なものだったが、ライバルと同じように、すぐに欧米で熱心なファンを見つけることができた。17年間の生産期間中に18万台が販売され、ウェッジスタイルの魅力が証明された。

フィアットX1/9
フィアットX1/9

インタースタイル・ハスラー

ハスラーは、ウィリアム・タウンズ率いるインタースタイル(Interstyl)社がジェンセンのためにデザインしたモデルが却下されたことをきっかけに生まれた。タウンズはこのアイデアを棚上げにすることなく、生産に移し、ミニをベースにした自作キットとして販売した。

このデザインは幅広い用途に適しており、4輪や6輪などさまざまなボディスタイルとサイズで作られた。ジャガーXJ12をベースにした「ハイランダー」や、ボディがすべて木でできているモデルもあった。

インタースタイル・ハスラー
インタースタイル・ハスラー

ランボルギーニカウンタック

ランボルギーニ・ミウラが「スーパーカー」の名を世に知らしめ、カウンタックはすべてのクルマの基準となった。マルチェロ・ガンディーニが手がけたこのモデルは、ウェッジノーズの形状を最大限に生かし、駐車していても160km/hで走っているかのように見える。また、カウンタックはミウラよりも高速走行時の安定性が高い(ミウラは160km/hを超えたあたりからステアリングが非常に軽くなるという危うい特性を持っていた)。

ランボルギーニの上級モデルのトレードマークとなったシザードアによって、ガンディーニはカウンタックのウェッジスライスの形状を強調している。年月を経るにつれ、ウィングやスクープ、バルジが増えていったが、基本的な輪郭は16年間の生産期間中不変であり、誰が見ても一目でそれとわかるスーパーカーとなった。

ランボルギーニ・カウンタック
ランボルギーニ・カウンタック

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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