いろんな意味で「尖った」クルマ ウェッジシェイプの名車・迷車 19選
公開 : 2022.02.12 18:05
トヨタMR2
トヨタのデザイナーは、低いノーズ、ポップアップ式のヘッドライト、角ばったルックスなど、ウェッジカーのデザインをすべて取り入れながら、このコンパクトスポーツカーに独特のフォルムを作り出した。また、ミドシップエンジンを採用したことで、小さなプロポーションのMR2にアグレッシブな存在感を与えている。
この初代MR2は、1984年から1989年までの5年間に16万6104台が販売され、トヨタの大ヒットモデルとなった。そのほとんどが最高出力124psの1.6L通常吸気エンジンを搭載していたが、米国では147psのスーパーチャージャー付きモデルも販売された。
トライアンフTR7
ハリス・マンが手がけたウェッジスタイルのTR7は、それまでのスポーティなロードスターのTRとは一線を画すモデルである。まず、1975年の発売当初は、トライアンフの主要市場であった米国でオープントップが禁止されることを懸念して、クーペのみの設定となった。
1979年にコンバーチブル仕様が登場し、その形状はウェッジデザインとの相性も良かったが、当時TR7は信頼性と品質に問題が生じ、末期のスランプに陥っていた。販売台数は11万2368台で、1980年にローバーV8を搭載し発売されたTR8も2497台しか売れなかった。
TVRタスミン
オリバー・ウィンターボトムのデザインによるタスミンは、TVRによるウェッジスポーツカーの初期のモデルであった。それまでの曲線的なモデルとは趣を異にしていたが、強靭なスチール製シャシーとダブルウィッシュボーン・サスペンションは健在だった。
発売当初はフォードのV6エンジン、あるいは2.0L 4気筒のピントエンジン(200モデル)を搭載していたが、やがてローバーV8を積んだ350iが姿を現す。ライフサイクルを通して排気量とパワーを増していき、最終的に最高出力330psの450 SEACが誕生。わずかに滑らかなラインと巨大なリアウィングを持つ究極のモデルとなった。
ボルボ480 ES
ボルボ480 ESは、1970年代に発売されたスポーツワゴンの1800 ESを1980年代にアレンジしたモデルである。ジョン・デ・フリースによるウェッジスタイルを採用し、440セダンと同じプラットフォームでオランダで生産された。ポップアップ式のヘッドライトでウェッジスタイルを強調し、リアはガラス窓とハッチの組み合わせで、当時のボルボ車とは一線を画していた。
ルノー製エンジンの性能は平凡だったが、1985年から1995年の間に8万464台が生産されるなど、小規模だが忠実なファンがいた。さらに重要なのは、480がボルボで初めて衝撃吸収バンパーをデザインに組み込んだパイオニアであることだ。