「どハマり」の出会い 75年式アルフェッタGT 旧車でサーキット、TBCC参戦者に訊く楽しみ方
公開 : 2022.02.09 21:15 更新 : 2022.02.10 06:40
40年以上前に製造されたアルファ・ロメオでサーキット走行。袖ヶ浦フォレストレースウェイで見つけたオーナーさんに、お話を伺いました。
草レースに通うアルファ乗り
旧車のレースが活況だ。販売面の好調さが追い風となり、遊びの場もたくさん用意されている。
年間4戦のシリーズ戦として開催されている「東京ベイサイド・クラシック・カップ・シリーズ(TBCC)」も、その1つだ。
金田 裕さん(56歳)は、アルファ・ロメオのアルフェッタGTでTBCCにエントリーしている。愛車は1975年式だ。
昨年はTBCCに1回しか顔を出さなかったので、今回が久しぶりの参戦となった。
旧車でのレースを楽しんでいると聞くと、お金持ちのように思いがちだが、金田さんは違う。サラリーマン・オーナーだ。
ということで、去る2月6日に開催されたTBCCでは、1本:6600円のシバタイヤを履いてコースイン。
草レーサーの強い味方である同タイヤはドリフト世界から誕生した製品で、ハイグリップ仕様も用意されている。
新品タイヤを秘密兵器として、予選で上位グリッドを狙う作戦だったが、残念ながらセッティング不足だった。クルマが想定した動きにならなかったのだ。
上り勾配の1コーナーと最終コーナーでフロントの接地感が無くなり、怖い思いをすることになってしまった。タイヤの正当な評価が分からないまま、あっけなく予選が終了。決勝レースに臨むことになった。
TBCCのスーパー/ハイパー・クリスタル・カップ・決勝レースは10周で行われた。金田さんは完走したものの、スーパー・クリスタル・カップの6位でフィニッシュ。195/50R15サイズのシバタイヤを使いこなすことができず、最後まで不完全燃焼だった。
次はエンジンチューン?
そんな感じの微笑ましい戦いを繰り広げている金田さんによると、TBCCのクラブマンズ・カップはレース入門に最適だという。
そう、TBCCは敷居の低いモータースポーツなのだ。
「タイヤ、ブレーキパッド、水まわり、オイル漏れを点検しておくのが最低限のマナー」とは、金田さんのコメントである。
興味を持った方は、まず、“プレTBCC”的なスポーツ走行クラスにエントリーしてみるといいかもしれない。
ちなみに、金田さんがアルフェッタGTを購入したのは2012年11月のことだ。当初はノーマルのままで乗るつもりだったという。
「友人のアルファ75を運転する機会があり、そのときにトランスアクスルもいいな」と思ったそうだ。
ちょうど同じタイミングでトヨタ博物館でカフェレーサー風にモディファイされたアルフェッタを見る機会もあった。「これが、どハマりで、ネット検索したら沖縄に1台だけ売り物があり、翌日に電話。現在に至っています」。
アルフェッタGTは、金田さんにとって人生初の旧車だ。旧車の、走れる、走れない、は、メンテナンス・ショップ次第だが、金田さんはノーマル重視派の主治医と出会うことができた。
そのおかげで、低予算で愛車をこつこつモディファイすることが可能となったのだ。今後独身に戻り、お金を自由に使えるようになったら、エンジンとトランスミッションをライトチューンしたいという。
すでに、フライホイールとツインプレートクラッチを買ってあるそうだ。