台数減ってもなぜ儲かる? トヨタ第3四半期決算発表 最高益を記録したワケ
公開 : 2022.02.11 05:45
半導体不足の影響は?
部品サプライヤーなど、トヨタを支えるさまざまな協力企業との「つながり方」だ。
コロナ禍となってから、豊田章男社長を含めたトヨタ幹部は、四半期や通期の決算報告の中で、先行き不透明な状態で、他社が通期の台数目標を示せなかったときにも、トヨタは業界の基準となるべく、あえて数値を提示した。
また「ティア1(一次部品メーカー)だけではなく、ティア2(二次部品メーカー)とも直接、中長期の購買について日常的なコミュニケーションを取っている」という内情を明かした。
そうした経営の手法により、半導体不足の影響が他メーカーと比べて比較的少なく抑えることができたといえるだろう。
ただし、直近での半導体不足は少し状況が違うようだ。
トヨタの前日に第3四半期決算発表をおこなった日産の幹部は、「半導体不足については、自動車産業界だけではなく、(IT企業など)他の分野とも連携した総括的な話し合いが必要だ」との見解を示している。
電動化、コネクテッド、先進安全技術や自動運転などにより、クルマが走る電子デバイス化してきた。
これから先、トヨタを筆頭に自動車産業界は販売台数市場主義から、収益性重視への転換を図るべく、あらためてサプライチェーンの在り方を議論するべきときではないだろうか。