シンガー、名車ポルシェ930風レストモッド公開 3.8Lツインターボで456ps

公開 : 2022.02.10 18:25  更新 : 2022.04.14 16:58

米国のチューニング会社シンガーは、ポルシェ930型911を彷彿とさせるレストモッド車両を公開しました。

ベースは964型 主張しすぎないディテール

米カリフォルニア州に拠点を置くシンガー・ヴィークル・デザイン(Singer Vehicle Design)は、ポルシェ911ターボにインスパイアされた最新のレストモッドを公開した。

「ポルシェ911リマジンド by シンガー・ターボ・スタディ」は、同社が公開する4台目のモデルである。964型911のシャシーをベースに作られた。

ポルシェ911リマジンド by シンガー・ターボ・スタディ
ポルシェ911リマジンド by シンガー・ターボ・スタディ    シンガー

ウルフブルーで仕上げられた特注のカーボンファイバー製ボディは、1975年から1989年まで生産された名車ポルシェ930を思い起こさせるデザインとなっている。しかし、細部にはさまざまなアレンジが加えられている。

フロントバンパーはより強調され、フォグランプはグリルではなくハウジングに組み込まれ、ミラーはよりスマートな印象を与える。サイドでは、ストーンガードが特注のインタークーラーに空気を供給する大型エアインテークに変更された。リアには全く新しいライトバーが確認できる。また、930の特徴である「ホエールテール」のようなスポイラーとワイドアーチを模倣したデザインも採用されている。

インテリアでは高級感と使い勝手を重視し、マリブサンドで仕上げられたダッシュボード、ドアカード、センターコンソールにブラックウッドを添えている。全体的なレイアウトは930と同様だが、大型スピーカーシステム、新しいペダル、新デザインのステアリングホイールのほか、センターコンソールの電話スロットにはスマートフォン充電器が搭載されている。

使い勝手を重視 長距離ドライブも快適?

パワートレインには、ポルシェ964のメツガー・フラット6をベースにした、まったく新しい3.8Lツインターボエンジンが採用されている。最高出力456psを発生し、シンガーにとって初のターボ付きモデルとなる(顧客の要望があれば、さらなるパワーアップも可能だという)。

駆動方式は後輪駆動と4輪駆動のいずれかを選択でき、トランスミッションは6速MTを搭載。フックス風ホイールに、カーボンセラミックブレーキを組み合わせる。オプションでスポーツエグゾーストシステムも用意されている。

ポルシェ911リマジンド by シンガー・ターボ・スタディ
ポルシェ911リマジンド by シンガー・ターボ・スタディ    シンガー

オフロード仕様のACSやサーキット走行に特化したDLSなど、これまでのモデルとは異なり、ターボ・スタディは実用性に重点を置いており、長距離ドライブを想定したシートヒーターやクルーズコントロール、エアコンを装備している。サスペンションも「ツーリングに最適化」されているが、スポーツ走行に合わせた減衰力調整も可能だという。

製造台数や価格は不明だが、200万ポンド(約3億円)で限定75台のDLSよりも安価に、多く製造されると予想される。

シンガーは、これまでに70人以上の顧客がターボ・スタディを予約していると述べている。実車両は、6月に英国で開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでデビューを飾る予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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