マツダCX-5は、どう変わったのか? マイナーチェンジで特別仕様車を拡充 試乗で検証

公開 : 2022.02.13 20:45  更新 : 2022.02.13 21:27

オフロードモード どこが違う?

駆動系の注目点は「オフロードモード」。

前項で述べたようにオンロードでもメリットを発揮するが、本領のオフロードでも従来から採用されるオフロード・トラクション・アシストとのオフロードとはっきりした違いを示す。

改良新型マツダCX-5 XDフィールドジャーニー(355万3000円:ジルコンサンドメタリック/4WD)
改良新型マツダCX-5 XDフィールドジャーニー(355万3000円:ジルコンサンドメタリック/4WD)    宮澤佳久

従来のシステムの制御は、一言でまとめれば大雑把。派手にホイールスピンしてから空転輪をブレーキで掴み、グリップ回復での動き出しも唐突。

オフロードモードは、空転少なくゆるりと動き出す。

空転輪のブレーキ制御とアクセル制御のコンビネーションがよく、扱いやすいだけでなく、心理的にもドライバーに余裕を持たせるように制御されていた。

悪路走破性も着々と進化しているわけだ。

乗り心地、静粛性について

ロードノイズを低減。高周波成分が少なくなって体感静粛性も向上。段差乗り越し時の突き上げの角を取って、荒れた舗装路での乗り心地を改善。

うねり等々の挙動やロールから感じるサスの硬さは従来車と変わらないのだが、刺激的な振動が減った。

改良新型マツダCX-5 25Sスポーツアピアランス(325万6000円:スノーフレイクホワイトパールマイカ/FF)
改良新型マツダCX-5 25Sスポーツアピアランス(325万6000円:スノーフレイクホワイトパールマイカ/FF)    宮澤佳久

各部を面取りしたような、あるいは肌触り領域の乗り味の改善というべきか、いずれもドライバーと同乗者の双方に優しい方向への改良だ。

スペック・志向を変化させるようなMCではなく、大まかな部分では変わっていない。

従来車オーナーが買い換えを焦るほどでもなければ、新型よりも従来型のほうが好みというドライバーがいても可笑しくない。走りの味では「どちらかと言えば」の範疇に収まる違いである。

「買い」か?

アウトドア趣味のためのクロスオーバーSUV相対で言えば、まだオンロード寄りの印象が強いが、登場時からすればラフ&オフロード適性を上げてきたのは好感が持てる。

マツダによれば先代オーナーにはMC車のほうが好印象。これもレジャー用途向けの要素が高まった効果と言える。

特別仕様車フィールドジャーニーの世界を広げるオフィシャルグッズ「マツダアクティブ」も登場した。
特別仕様車フィールドジャーニーの世界を広げるオフィシャルグッズ「マツダアクティブ」も登場した。    宮澤佳久

それらの魅力を揃えたモデルがフィールドジャーニーなのだ。

従来路線を好むならスポーティ志向のスポーツアピアランスが筆頭だろうが、高速ツーリングとアウトドア趣味の最適なバランスを模索しているならフィールドジャーニー。

この選択肢の拡がりこそCX-5の新たな魅力と言えよう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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