ランドローバー・ディスカバリーSE D300試乗 控え目、でも「優秀な道具」

公開 : 2022.02.15 05:45

ライバルは身内? それでも選ぶ理由

最新のパワーユニットを得て、さらに完成度を高めたディスカバリー。

だがD300ユニットはディスカバリーだけの長所ではない。

ランドローバー・ディスカバリーSE D300
ランドローバー・ディスカバリーSE D300    宮澤佳久

SUV百貨店的な現在のランドローバーにおけるディスカバリーの個性とは何なのか?

都市部やワインディング、さらには雪道まで走ったことで感じたのは、ドライブしている車種と場所を必要以上に意識させない、安心感の高さにあると思った。

レンジローバーはいつの時代も「プレミアム」を意識させるが、オフロードを目の前にすると傷や汚れを気にして二の足を踏むオーナーも少なくないだろう。

生まれ変わったディフェンダーはすっきりとカジュアルで、乗り手の遊び心を刺激してくる存在だ。

それらに比べるとディスカバリーSE D300は、適度に高級感があり、しかしドライブしていてその存在を忘れてしまうくらい自然な操作感の持ち主でもある。

サラウンドカメラのおかげで狭い駐車場でもボディの大きさを感じないし、渋滞を抜け高速道路で飛ばしても腰高な感じもしない。

いきなり大雨になっても、林道がはじまって路面が雪で覆われはじめても乗り手の心拍数を上げない。ひたすら優秀な道具に徹しているイメージなのだ。

といっても得意分野と価格はディフェンダーに近いし、実際にかち合っているようにも思う。

ディフェンダーの魅力は強烈だが、しかし英国的、アンダーステートメントを求めてディスカバリーを選ぶというのは、大いにありだと思う。

ランドローバー・ディスカバリーSE D300のスペック

価格:950万円
全長:4985mm
全幅:2000mm
全高:1895mm
ホイールベース:2925mm
車両重量:2470kg
パワートレイン:直列6気筒2993ccターボ
最高出力(エンジン):300ps/4000rpm
最大トルク(エンジン):66.3kg/1500-2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック

ランドローバー・ディスカバリーSE D300
ランドローバー・ディスカバリーSE D300    宮澤佳久

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。

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