今1番美味しい純EV ポルシェ・タイカン GTS スポーツツーリスモへ試乗 航続445km
公開 : 2022.02.28 08:25
ちゃんとポルシェらしい操縦性
現在のポルシェのラインナップを俯瞰すると、GTSはモデル内でベストといえるグレードに位置すると感じる。タイカン・クロスツーリスモでも同様ながら、シャシー・チューニングやオプションを変えても、他のモデルほど明確な違いは生まれないようだ。
つまり、基本的にタイカンは素晴らしい。路面と息を合わせるように、確実な足取りで疾走する。運転席からはフロントフェンダーの峰が見え、大きいボディサイズの割に、車線内の位置も保ちやすい。その鼻先は、非常にクイックに反応する。
タイカンの印象で最も評価したいことが、ちゃんとポルシェらしいこと。以前に試乗した、後輪操舵の付かない後輪駆動モデルでも同様だった。
ステアリングホイールやペダル類など、操作系の重み付けは理想的。特にやや重めのステアリングホイールは、路面の感触を手のひらに伝え、正確に操れる。
一方で、英国の管理の悪い一般道では、少々手に負えないこともある様子。カーブの曲率は一定ではなく、カント角も一定せず、路肩には木の根が隆起させた部分も少なくない。
エアサスペンションの車高を落とし、レートを引き締めると身のこなしがタイトになる。そのぶん、しなやかさは減じられる。また21インチより小さなホイールサイズの方が、乗り心地は好ましいだろう。
オプションの後輪操舵により、旋回をアシストするリアタイヤを感取できる。しかし、必ずしも完璧とは限らない。といっても、そう感じる場面は極めて限定的だ。
世界最高の純EVで最も魅力的な仕様
GTS スポーツツーリスモは、現時点での世界最高の純EV、ポルシェ・タイカンで最も魅力的な仕様だといっていい。そのぶん価格も高い。英国価格は10万4990ポンド(約1627万円)からとなる。
充電ケーブルや電動フォールディング・ミラー、先出のオプションなどを搭載すると、みるみる価格は上昇。試乗車は、約13万1000ポンド(約2030万円)の内容だった。
もし筆者が選ぶなら、80kg軽く手頃な後輪駆動のベースグレード、タイカン・スポーツツーリスモを選ぶだろう。たとえGTSでなくても、タイカンの訴求力は非常に強いのだ。
ポルシェ・タイカン GTS スポーツツーリスモ(欧州仕様)のスペック
英国価格:10万4990ポンド(約1627万円)
全長:4963mm
全幅:1966mm
全高:1405mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:3.7秒
航続距離:342-445km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2295kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
バッテリー:83.7kWhリチウムイオン(実容量)
最高出力:598ps(システム総合)
最大トルク:86.3kg-m(システム総合)
ギアボックス:1速オートマティック(フロント)/2速オートマティック(リア)