イタリアン・スーパーカーに後塵を 日産GT-R(R35型) 英国版中古車ガイド
公開 : 2022.02.24 08:25
新車時代のAUTOCARの評価は
目的地までの最短移動に固執した技術者チームが作り上げた、容赦ない成果。最高出力480psを備えていても、ドライバーが引き出せなければ意味はない。しかし、R35のドライバーなら、常にすべてを活用できる。
衝撃を受けるほど、クルマの訴求力は大きい。多くの人が好きだと思えるスタイリングに、広々として装備の行き届いたインテリアは仕立ても上等だ。
路上での存在感もかつてない。その隣に停まったポルシェ997ターボが、かわいそうに見えてしまう。 (2008年2月20日)
専門家の意見を聞いてみる
クリス・マーシャル氏:オート・トルク社代表
「個人的に、3台のR35型GT-Rを所有してきました。クルマとしても熟知していると思います。わたしが最も評価している点は、圧倒的なパフォーマンスとチューニングの可能性ですね」
「価格価値に優れ、あまりお金をかけずともパワーアップが可能です。しかも実用的。スーパーカーの性能を持ちながら、毎日の移動にも乗ることができます。能力が広いクルマです」
「一般的にいって、信頼性も高いです。長期間放置されていたり、悪意のあるオーナーの手に渡ったり、チューニングが不適切でなければ、不具合は起きないといってもいいでしょう」
購入時に気をつけたいポイント
ABSポンプ
R35型のGT-Rではよく聞く不具合だという。特に年式が古いGT-Rでは珍しくないようだ。部品交換の必要がある。
リア・ショックアブソーバー
ショックアブソーバーからガス漏れする場合がある。特に初期型では珍しくない。パフォーマンスの維持のためにも、早めの部品交換が良いだろう。
フルード漏れ
ドライブシャフトの付け根やトランスミッション、ステアリングラックのシールからのフルード漏れが起きがち。経年劣化や走行距離の増加で、各部のシールなどから滲んでくる。それほど作業が難しくない部分が中心のようだ。
タイヤの偏摩耗
GT-Rのハイパワーと軽くない車重、アライメント設定などが原因で、タイヤの減りは早い。偏摩耗は、アライメント調整で抑えることができる。
スピーカー
ボーズ社製のスピーカーが組まれているが、フロントドア側がガタついたり、異音が出る場合がある。交換作業は難しくない。
知っておくべきこと
日産GT-Rは、チューニング・ガレージが一度は手掛けたいと考えている夢のクルマ。多くのオーナーが、購入後に性能アップの改造を施している。中古のGT-Rを選ぶ際は、チューニング内容にも気をつけたい。
もしノーマル以上に激しいゴジラへ仕上げたいなら、いくつかのアップグレード・パーツの投入で700ps程は無理なく引き出せる。1000ps以上という例も、しばしば目にする。