崇拝の対象? カルト的な地位のクルマ 26選 自動車文化を築いた偉大な名車たち

公開 : 2022.02.19 06:05

A地点からB地点への単なる移動手段ではなく、文化的象徴とも言えるカルト的なクルマを26台厳選しました。

移動手段を超えた「文化」の象徴

一番売れているクルマが一番面白いとは限らない。一般的なドライバーは、ダウンフォースや伝統、馬力、オフロード性能などには興味がないのだ。冷蔵庫が冷蔵庫でしかないように、クルマはクルマでしかない。

しかし、さまざまな理由から、クルマが基本的な移動手段から、情熱や、ときには文化的な象徴へと飛躍するときがある。そのクルマに乗っている人たちは互いに手を振り、ライトを点滅させ、立ち止まっておしゃべりをし、故障したときにはクルマを降りて助けてくれるのだ。

ここで紹介するクルマを入手することは、ある種の宗教に入信するようなものである。
ここで紹介するクルマを入手することは、ある種の宗教に入信するようなものである。

ここでは、世界中でカルト的な人気を博しているクルマと、今後数年でカルト的な人気を博すと思われるクルマを紹介する。見出しの車名に続く括弧内は生産開始年を示している。

フォルクスワーゲンビートル(1938年)

フォルクスワーゲン・ビートルは、その普遍性から世界で最もコレクターが多いクルマの1つとなった。

ドイツでは、悲惨な戦争の後、困難に打ち勝ち、滅亡寸前の状態から立ち上がった自動車メーカーのシンボルとして。米国では、1960年代から70年代にかけて、小型で燃費のよい輸入車の人気が高まっていたことを物語っている。メキシコでは、タクシーとして広く知られている。

フォルクスワーゲン・ビートル(1938年)
フォルクスワーゲン・ビートル(1938年)

ビートルは今日もなお、人々の心を惹きつけてやまない。インターネットのない世界を知らない幼児も、ビートルとすれ違うと、指をさして微笑む。

シトロエン2CV(1948年)

ミニやビートルと同様に、シトロエン2CVは大衆文化に浸透している。コレクターは四輪の神として崇めると同時に、これを単なるクルマではなく、生活様式の1つであると説いている。大雑把に言えば、2CVのオーナーはいじるのが好きで、フランスのカーイベントを散策していても、同じ2CVを2台見つけることはまずない。

2CVは、ありとあらゆる色にペイントされ(時にはすべて同じ色に)、リフトアップ、ローダウン、トラクシオンアバン風カスタム、ラットロッド化などなど、さまざまな改造が施されている。GS譲りの4気筒エンジンを搭載したものも見受けられる。

シトロエン2CV(1948年)
シトロエン2CV(1948年)

フォルクスワーゲン・バス(1949年)

商用バンとして誕生したフォルクスワーゲン・バス(別名:タイプ2)だが、1960年代のヒッピー文化の台頭を契機に、カルト的な人気を博すようになった。ビートル同様、バスも高価なコレクターズアイテムとなっている。

初期のスプリットウィンドウ(分割式フロントガラス)のモデルには高値がついていることが多く、大衆を乗せるために設計されたクルマとしては、非常に大きな矛盾をはらんでいる。

フォルクスワーゲン・バス(1949年)
フォルクスワーゲン・バス(1949年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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