崇拝の対象? カルト的な地位のクルマ 26選 自動車文化を築いた偉大な名車たち
公開 : 2022.02.19 06:05
アウディRS2アバント(1994年)
アウディ初のRSモデルであるRS2アバントは、ポルシェの協力で誕生した。粗野な80アバントをベースに、2.2Lの5気筒エンジンを搭載し、その横に大型ターボチャージャーを取り付けた。6速MTとアウディが誇るクワトロシステムを介して、314psを四輪に伝達する。
今でこそ当たり前の四輪駆動だが、1990年代半ばには、少なくともRS2のセグメントでは本当に斬新なものであった。クワトロはアウディのホットロッドワゴンを、冬の山間部でも毎日使える数少ないハイパフォーマンスカーにしたのである。
ホールデン・ユート(2000年)
ホールデン・ユートの系譜は1951年のクーペ・ユーティリティに遡るが、ユートの名称が正式に使用されるようになったのは2000年に発売されたコモドアVXからである。オーストラリアの国産車から生まれたピックアップは、作業用トラックとスポーツカーという2つの性格を持つ。それぞれ異なる人生を歩んでいたのだ。
作業用モデルは容赦なく乗り潰されることが多かったが、ホールデンとチューナーのHSVが作ったパフォーマンスモデルは、マニアに愛された。時には最高出力584psを発揮し、オーストラリア流のパワーの象徴となった。
ルノー・アヴァンタイム(2001年)
1999年にコンセプトモデルとしてルノー・アヴァンタイムが登場したときは、せいぜい笑われる程度だった。誰も尋ねたことのない疑問に対する答えである。しかし、今にして思えば、当時のルノーのデザイン哲学の顔として、重要な意味を持つものだった。
3年間で8557台が生産されたアヴァンタイムは、壮大な失敗作とされている。この大失敗の裏で、現存する個体のほとんどはすでにコレクターの手に渡った。欧州ではアヴァンタイムのファンクラブ加入者が増えつつある。
BMW X6(2007年)
批評家の多くは、BMW X6は「Conspicuous Consumption(誇示的消費、目立つための消費)」の志向を体現していると、口から泡を飛ばしながら主張する。確かに、デザインには賛否両論があり、SUVとしてもクーペとしても優れていないという否定的な意見もある。しかし、BMWのスレンダーな4ドア・クーペを批判する人々でさえ、X6が1つのセグメントを開拓したことは否定できまい。
クラシックカー市場が先駆者に優しいことは、歴史が証明している。2057年のクラシックカーイベントでは、2009年式X6 Mのワンオーナー、オリジナル仕様が人気を博すことだろう。