308とシャシーは同じ ヴォグゾール(オペル)・アストラへ試乗 8代目へ刷新 前編

公開 : 2022.03.05 08:25

オペル・アストラがモデルチェンジ。シャープな容姿に洗練のドライビングを得た最新版を、英国編集部が評価しました。

基本的にはプジョー308と同じシャシー

ヴォグゾールオペル)・アストラが8代目へモデルチェンジを果たした。英国市場で大きな成功を残してきたコンパクトカーの最新版には、視線を集めるほどハンサムなルックスが与えられた。

アストラは、フォルクスワーゲン・ゴルフに並ぶサイズのハッチバック。だが近年はクロスオーバー人気に押され、販売台数は減少傾向。ブランドイメージやスタイリングの良し悪しで、さらに売れ行きは左右されてしまうから、見た目は大切だ。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2T 130 GSライン(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2T 130 GSライン(英国仕様)

新しいアストラは、オペルがステランティス・グループの1員となったことで、アーキテクチャーも一新されている。基本的には、プジョー308と同じシャシーで成り立っている。エンジンやサスペンションも、共通といって差し支えないだろう。

電動化技術が搭載された、初めてのアストラでもある。今回試乗したプラグイン・ハイブリッド(PHEV)だけでなく、純EV仕様も控えている。

あらゆる部分が新しくなり、英国市民としては馴染み深いアストラらしさが消えてしまうのでは、という心配もなくはない。ドライブ・フィーリングも。しかし巧みなクルマづくりで、そのリスクは最小限に抑えたようだ。

新型は従来から大幅に洗練度を増し、動的能力も引き上げられた。端的に素晴らしい。ただし、記憶に刻まれるほどではないとも感じた。

PHEVのほか、純EV版も2023年に

スタイリングを眺めると、最新のオペル流バイザーグリルと、シャープな面構成がとても新鮮。1960年代のビル・ミッチェル氏のデザイン処理にも見えなくはない。1980年代の初代アストラや、1970年代のマンタにも影響を受けたとしている。

7代目アストラとは隔世の差といえる変化だが、新しいアーキテクチャの採用でルーフラインが下がり、ホイールベースが13mm伸びたことが原因の1つ。新しいコルサの第一印象でも、近いものがあったと思う。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2T 130 GSライン(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2T 130 GSライン(英国仕様)

8代目アストラの生産拠点は、ドイツ西部、リュッセルスハイムの自社工場。2022年5月には、右ハンドル車が英国のヴォグゾール(英国オペル)・ディーラーに並ぶという。

先代と比べて、エンジンのラインナップは簡素化された。一般的な内燃ユニットとしては、110psか130psの1.2L 3気筒ガソリンターボと、130psの1.5L 4気筒ディーゼルターボが選べる。

PHEVには、180psか224psの2段階が用意される。純EV版は、2023年の登場予定だ。

サスペンションは、フロントがストラット式の独立懸架で、リアはトーションビーム。すべて前輪駆動で、四輪駆動は選べないとのこと。英国仕様のトリムグレードは、デザインとGSライン、アルティメットという3段階が設定された。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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