ジープへの闘争心が覗く フォード・ブロンコ・アウターバンクスへ試乗 並行で英国へ

公開 : 2022.02.22 08:25

完全復活を果たした、フォードのオフローダー、ブロンコ。英国編集部が、並行輸入で上陸した4ドア版を試乗しました。

英国にも並行輸入でブロンコ上陸

欧州フォードは、CO2排出量の削減に余裕がない。新しいフォーカスRSの開発を進められないほど。CO2を沢山排出するであろう、大きなオフローダーを正規に欧州市場へ持ち込むことも難しい。

しかし、英国のとあるディーラーを尋ねれば、生まれ変わったフォード・ブロンコを購入できるようになった。並行輸入という形で。

フォード・ブロンコ 2.3エコブースト・アウターバンクス(英国仕様)
フォード・ブロンコ 2.3エコブースト・アウターバンクス(英国仕様)

そのディーラーとは、クライヴ・サットン社。ロンドンにショールームを構え、フォード・マスタングシボレーコルベットC8の輸入もしている。

最新のフォード・ブロンコは、2020年に発表された。根強いファンを抱える名前を復活させ、オールドスクールなセパレートシャシー構造を採用。2ドアか4ドアのボディタイプを選べる、本格的なオフローダーだ。

ちなみに、シャシーとボディが一体になった、モノコック構造のブロンコ・スポーツも存在する。こちらは、スタイリングが似ているものの、ひと回り小さい別モデル。都会派SUVという位置付けになる。

今回試乗したのは、兄貴分の本気のブロンコ。シャシーはピックアップ・トラックのレンジャーのものがベースだという。サスペンションは、フロントに独立懸架、リアにリジットアクスルが採用されている。

ライバルのジープラングラーと並んでも、ブロンコは迫力でまったく負けていない。4ドアの全長は4810mm、全幅は1928mm、全高は1854mmと、ボディサイズも接近している。ルーフは、ソフトトップかハードトップが選べる。

2.3L 4気筒ガソリンターボに10速AT

オフローダーとして、四輪駆動のドライブトレインには後輪駆動モードのほかに、ローレンジとハイレンジも用意された。必要なら、フレームレスの軽いドアと、ルーフが取り外せる。テールゲートは横開きだ。ラングラーへの対抗意識を感じ取れる。

ジープは年間20万台以上のラングラーを、世界中で販売している。カスタムして楽しむファンも多い。フォードも、その市場へ参入したいと考えても不思議ではない。

フォード・ブロンコ 2.3エコブースト・アウターバンクス(英国仕様)
フォード・ブロンコ 2.3エコブースト・アウターバンクス(英国仕様)

ただし、ブロンコはアメリカ人が荒野を冒険するために作られた。日本や欧州の市場は、ほとんど視野に入っていない。

北米でのスターティング・プライスは約3万ドル(約345万円)から。しかし、ある程度は価格を決められる現地ディーラーは、強気の金額を要求するらしい。需要が高く品薄だからだ。発表から既に、16万5000台のオーダーがあったという。

今回試乗する機会を得たのは、アウターバンクス・エディション。ミドルグレードに当たるブロンコで、タイヤはオンロード重視のパターンを履いていた。

一般的に、この手のクルマはゴツいタイヤを履いているほど、カッコいいと筆者は思う。ジープ・ラングラーと同様に。

試乗車のエンジンは、エコブーストと名付けられた2.3Lの4気筒ガソリンターボ。最高出力は274psを発揮する。トランスミッションは10速オートマティックだ。

英国では、2.7Lガソリンターボも選べる。追って、3.0Lガソリンターボのラプター仕様も導入予定だという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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