最後のエンジン・サルーン ジャガーXF(最終回) 長期テスト 熟成された能力

公開 : 2022.03.05 09:45

歴史に刻まれるであろう、内燃エンジンを載せた英国製4ドアサルーン。後期モデルの完成度を長期テストで確かめます。

積算1万4242km 無線でスマホと連携

ジャガーXFのインフォテインメント・システムは、当初アップル・カープレイをワイヤレスで利用できなかった。しかし先日、ジャガーは最新のOS 3.0.0を英国でリリースし、対応可能となった。

コネクティビティ機能でダウンロードし、およそ35分でアップデート完了。ケーブルでXFとつながずに、快適にスマートフォンの音楽やナビ機能を利用できるようになった。

ジャガーXF P250 Rダイナミック SE RWD(英国仕様)
ジャガーXF P250 Rダイナミック SE RWD(英国仕様)

積算1万4274km 高速道路での優れた燃費

このクラスのサルーンは、一気に支持を失いつつある。見た目以上に、大きな荷室を備えていながらも。ジャガーXFの場合は459Lも容量がある。

試しに筆者の兄を乗せてみたら、快適に横になれたようだ。リアシートの背もたれを倒したら、快適に朝まで過ごせたかもしれない。大きなヒンジが内側に出っ張るようだが。

ジャガーXF P250 Rダイナミック SE RWD(英国仕様)
ジャガーXF P250 Rダイナミック SE RWD(英国仕様)

積算1万4323km 2025年以降は純EVモデルのみに

2022年が始まって2か月が過ぎたが、良いニュースが続いている。イングランド代表はサッカー・ワールドカップへの進出を決めた。英国で開かれる大規模音楽フェス、グラストンベリー・フェスティバルも、3年ぶりに開催予定だという。

しかし、ジャガーが内燃エンジンを搭載したモデルの販売を辞めるという、Xデーが近づいたことも意味する。それが、長期テストへXFが加わった理由の1つだった。

ジャガーXF P250 Rダイナミック SE RWD(英国仕様)
ジャガーXF P250 Rダイナミック SE RWD(英国仕様)

ジャガーXFは、モデルライフ中期のフェイスリフトを2020年に受けていた。2025年以降、純EVのみのメーカーへ切り替わることを見据えるように。だが、長期テストは最終回。しんみりする話はやめておこう。

二面性を持つパワートレイン

ジャガーXFには感触の良いステアリングホイール、ラグジュアリーなインテリア、パワフルなエンジン、しなやかな乗り心地、鋭敏な操縦性と、褒めるべき点が沢山ある。長旅でも、疲れ知らずに目的地を目指すことができた。

加えて、燃費もボディサイズから想像するほど悪くない。電動化技術の載らないエンジンにも関わらず。この二面性を持つパワートレインは、XFで最強のストロングポイントだと思う。

ジャガーXF P250 Rダイナミック SE RWD(英国仕様)
ジャガーXF P250 Rダイナミック SE RWD(英国仕様)

長期テストで得た最良の燃費は、14.6km/L。近年では驚く数字とはいえないが、全長5m近いサルーンとして悪い数字ではない。英国でもガソリン価格は高騰しており、満タンの金額に落胆する機会は少なく済んだはず。

それでいて、充分にスポーツセダンだと呼びたくなる、たくましさも備えている。最高出力はフォルクスワーゲン・ゴルフGTIとさほど違わないが、パワフルにXFを走らせてくれる。運転好きの心を、しっかり掴むほど。

エグゾーストノートは少し刺激不足。クラシカルな6気筒エンジンが懐かしい。だが、鋭く吹け上がる4気筒エンジンのレスポンスが、その印象を上回った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト ジャガーXF P250の前後関係

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