ターボ車の注意点 お手入れ方法は普通のクルマと同じ? 心配すべきこと、しなくていいこと
公開 : 2022.02.23 06:05
小型車から大排気量スポーツカーまで、数多くのクルマに搭載されるターボチャージャー。注意点を紹介します。
注意点は特になし? 現代のターボ車事情
ターボ車のお手入れのコツは、最近ますます求められているようだ。当然といえば当然で、今やターボチャージャー(以下、ターボ)は、現代のエンジン設計に欠かせない存在となっている。ターボを搭載したクルマは、以前よりはるかに多い。
そのため、ターボ車のお手入れ方法を紹介する記事や動画も増えている。運転前後のエンジンの暖機と冷却から、正しいオクタン価の燃料を使うこと、アクセル操作に注意すること、MTの場合は正しいギアを選択することなどがアドバイスとして取り上げられている。これらを怠ると、ターボやエンジンにダメージを与える可能性があるという。
しかし、大多数の人は、このようなサイトを熟読しているわけではない。メーカーはどうしているのだろうか?このアドバイスを守らないと、本当にクルマにダメージを与えてしまうのだろうか。それとも、これらのアドバイスはすべて、技術の進化により時代遅れになってしまったのだろうか。
メーカー側の一般的な意見としては、最近のクルマは極限までテストされているので、新品のターボエンジンで問題が起こることはほぼないだろう、ということだ。古いクルマであれば上記のアドバイスも正しいのだが、現在ではソフトウェアシステムが、エンジンを破砕するようなドライバーの入力を無効化するようになっている。
BMWの広報担当者は、「これまで、当社はターボ車についてアドバイスしてきました。しかし、顧客に特定のヒントを提示することはもうありません」と言う。
アウディの広報担当者は、より慎重にではあるが、これに同意している。「現代のアウディのターボエンジンは、古いユニットで必要だった特別な注意や操作手順を必要としません。しかし、当社はもちろん、摩耗や損傷を最小化させるための一般的なガイドラインを遵守することをオーナーにお勧めします」
このようなガイドラインは、一般的に「クルマの手入れをきちんとすること」と要約される。技術は進歩したが、それでもクルマは複雑な機械部品から構成されているため、定期的なメンテナンスとお手入れが必要である。その詳細は各車両のマニュアルに記載されているが、基本的には推奨される点検スケジュールを守り、必要に応じてフルード(オイルなどの液体類)をチェックし交換することだ。
シトロエン英国部門のパーツおよびメンテナンスのテクニカル・オペレーション・マネージャー、イアン・セジウィック氏は次のように説明する。
「エンジン制御技術とターボは、この数年で大きく進歩しました。高性能エンジンのTHP(ターボハイプレッシャーの意)は、熱の処理を助けるために独立した冷却システムを備えているため、エンジンをアイドリングさせたまま放熱する必要はなく、車両のスイッチを切ると自動的にシステムが作動します。電子制御ターボは、エンジンとターボへの負荷をコントロールすることで、ドライビングスタイルと出力要求をより適切に管理することができます」