482万8000kmのギネス記録 ボルボP1800 英国版中古車ガイド 北欧美人のクーペ
公開 : 2022.03.07 08:25
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ロバート・ウィットン氏:フェニックス・クラシック・レストレーションズ社代表
「P1800の多くの部品は、今でも比較的簡単に手に入ります。いくつかは既に購入できなくなっていますが、少なくともブッシュ類や一般的な整備に必要なものは、まだ入手可能です」
「見た目の個性や希少性を重視するなら、ジェンセン時代のP1800が良いでしょう。多くの人が信頼性に問題があると考えており、実際にスウェーデンへ生産が移された理由でもありますが、それに対応するのも楽しいかもしれません」
「現代のクルマとは違います。クラシックカーを選んでいるわけですし、多くの問題は解決できるものです」
購入時に気をつけたいポイント
ボディ
特に英国で作られていた初期のP1800は珍しく、交換用のボディパネルは出てこない。ただし、酷く状態の悪い例は少ないようだ。
一方で、1963年以降のP1800 Sでは、サイドシルやドアの下面、フェンダー、ヘッドライトのマウント部分などが錆びやすい。燃料タンクの取り付け部分も確認したい。
これまで取引価格が手頃だったため、ボディの修理が充分ではないこともある。養生した磁石と懐中電灯で、予めボディの状態はしっかり確かめたい。パテが盛られていると、磁石がつきにくい。
クロームメッキのバンパーが傷んでいたら、新しいものと交換が可能。英国ではステンレス製の新品を、約700ポンド(約11万円)で入手できる。
インテリア
日差しが強く当たる乾燥した状態は、ゴムやレザーを傷めてしまう。ウインドウシールやシートカバー、ダッシュボードなどの交換は想定しておきたい。1800 S以降のシートの方がクッションが厚く、ジェンセン時代のものより快適とされている。
サスペンションとブレーキ
しばらく交換されていなければ、ブッシュやボールジョイント類はリフレッシュしたい。ポリウレタン製を選ぶと、寿命とパフォーマンスを伸ばせる。オリジナルのゴムブッシュは、数年程度で劣化してしまう。
ブレーキ・ブースターからフルードが漏れ、ブレーキが効かなくなる可能性がある。リアドラムの分解には、ボルボの専用ツールが必要だ。
エンジン
ギネス記録に残るように、この4気筒エンジンは長寿命。それでも、定期的なメンテナンスは不可欠だ。
キャブレター仕様の場合、燃料ホースの劣化やキャブレター自体の汚れで、始動性が悪くなったり回転が不安定になる。状態が良くても、燃料インジェクションでない場合は、アイドリングが不安定になりがち。
走行距離が長い場合は、ピストンの圧縮状態を確かめたい。排気ガスの白い煙なども、内部構造の摩耗のサイン。バルブシートやピストンリングの交換を検討したい。