モーガン 新型スーパー3発表 クラシカルな外観にモダンな直列3気筒エンジン搭載

公開 : 2022.02.24 20:45

多用途性に優れ長距離走行も考慮した3輪車、モーガン3ホイーラーが「スーパー3」として生まれ変わりました。

「3ホイーラー」改め、「スーパー3」へ

モーガンは、新型「スーパー3」を発表した。現行の3ホイーラーに代わる新たな3輪車で、欧州では8月から納車が開始される予定だ。モーガンのグローバル戦略において重要な役割を担うと期待されている。

スーパー3は、モーガンにとって2000年のエアロ8以来となる全くの新型車で、創業者HFSモーガンが1909年に販売を開始した3ホイーラーを設計し直したものだ。113年の歴史の中で繰り返し使用されたバイク由来のVツインエンジンを廃止し、フォードフィエスタSTと同じ自然吸気1.5L直列3気筒をフロント(ボディ内部)に搭載しているのが特徴である。

新型モーガン・スーパー3
新型モーガン・スーパー3    モーガン

このエンジンは、これまでのモデルとは異なり、高剛性かつ軽量なキャストによりCAD設計のモノコックシャシーと結合している。また、ボディ後方にも同じような接合パーツがある。この2つのパーツは「機能的な部品」であり、外観デザインにも貢献しているという。

英国のモルバーン・リンク工場でスーパー3の生産が今年後半から開始されれば、生産量は週15台程度となり、現行モデルの最高生産量の2倍以上となる見込みだ。BMW製エンジンを積んだプラス・フォーおよびプラス・シックスと合わせると、モーガンの年間総生産台数は1500台かそれ以上になるはずで、近年の800~900台という数字に対し飛躍的な増加となる。

モーガンのスティーブ・モリスCEOは、バイクや3輪車のコンプライアンス規制が自動車よりも簡単な米国での販売に大きな期待を寄せていると語る。しかし、衝突試験と安全性については最低条件を下回ることを苦々しく感じているようだ。モリスCEOは、スーパー3について米国内だけで年間最大400台の販売を見込んでいるが、同時にグローバル市場に対しても期待感を示している。

実用性重視の設計 カスタムの自由が広がる

設計主任のジョン・ウェルズは、最新のCADとCAE技術により、小柄なボディサイズを維持しながら、エンジンを従来のようにフロントむき出しではなくボディ内部に搭載するという、パッケージング上の課題を解決できたと述べている。

スーパー3の全長は3.6mと現行モデルより120mm長く、コクピットにゆとりのある空間を確保している。シート(全4種類)は固定式だが、ペダルとステアリングコラム(チルトとテレスコピック)は調整可能だ。

新型モーガン・スーパー3
新型モーガン・スーパー3    モーガン

スーパー3の大きな特徴の1つとして、斬新な多機能サイドプレートをボディーの左右に装備することで、多用途性を大きく高めていることが挙げられる。冷却用空気をツインラジエーターに送り込むとともに、パニアやラック、ラゲッジキャリアが装着可能で、荷物の運搬にも役立つ。

汎用性の高さは随所に見受けられる。ツールボックス、カメラ、ミラー、ナビ、ウィンドディフレクター、スクリーンなどの取り付けを可能にするスナップファスナーが多数配置されているのだ。モーガンは約200のオプション装備を設定し、メーカー認定の外部サプライヤーからもさまざまなアイテムが展開される予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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