高級車満載の船で炎上 ランボルギーニ・アヴェンタドール再生産の可能性も
公開 : 2022.02.25 06:25
4000台を積んだ自動車運搬船の火災により、生産終了モデルの作り直しが必要になる可能性があります。
大西洋上で出荷した運搬船 納車に影響
先週、ドイツから米国へ4000台の自動車を輸送中に火災が発生した、全長200mの貨物船フェリシティ・エース号の復旧作業が間もなく開始される予定だ。
火災は大西洋を横断中に船倉から発生し、22名の乗組員がポルトガル海軍に救助された。フォルクスワーゲン・グループの車両を運搬しており、具体的にどの車種が積まれていたかは不明だが、フォルクスワーゲン、ベントレー、アウディ、ポルシェ、ランボルギーニが載っていたとの報道もあり、ある米国の経済学者は損害額を3億3500万ドル(約380億円)と見積もっている。
この船は、ドイツ北部のエムデン港から米国東海岸のロードアイランド州デイビスビルに向けて航行していたと伝えられている。ポルトガル海軍は先週、アゾレス諸島のファイアル島付近で、商船4隻と自国の巡視船1隻が救助を支援していると発表した。
ランボルギーニ・アメリカのアンドレア・バルディCEOは、メディアの取材に対し、積載されているランボルギーニの大半はSUVのウルスだが、スーパーカーのウラカンとアヴェンタドールも含まれ、それらがどんな状態であるかはまだ確認できていない、と語った。
「最終的な結果はまだわかりません。我々もしばらく公式な情報を待っているところです。この件は我々からディーラーに、ディーラーからお客様にも伝えています。どんな状態であっても、納車に遅れが出てしまうからです」とバルディCEO。
また、アヴェンタドールは年内の生産終了を前に完売しているため、万が一車両が破損した場合は再生産が必要になる可能性があるという。
「アヴェンタドールは完売しているので、563台のうち、何らかのキャンセルで交換が可能になる可能性はありますが、少なくとも船上のアヴェンタドールが無事であることを願いたいです」
乗組員全員救出も、被害状況は未だ不明
事故を受けて、ポルシェは納車追跡サービス「トラック・ユア・ドリーム」の情報を更新している。
「当社は、ポルシェの特定の車両を積んだ貨物船フェリシティ・エース号で事故が発生したことを認識しています。販売店では追加情報を入手し、問題の全容が分かり次第、お客様への影響について情報を提供します」
先週のメディアに対する声明で、ポルシェは次のように述べている。
「当面の思いは、フェリシティ・エース号の22名の乗組員です。船上で火災が発生したという報告を受けてポルトガル海軍が救助した結果、全員が無事であると認識しています」
「船に積まれた貨物の中に、当社の車両が多数含まれていると思われます。現時点では、具体的な対象車種の詳細は不明です。運航会社と緊密に連絡を取っており、追って詳しい情報を共有する予定です」
一方フォルクスワーゲンも声明を発表し、「大西洋を横断してフォルクスワーゲン・グループの車両を輸送している貨物船が関与」している事件を認識し、「当社は地元当局および運航会社と協力し、事故の原因を調査しています」と述べている。