自動車メーカーじゃない会社が作った自動車 34選 前編 カラシニコフからソニーまで

公開 : 2022.02.26 06:05

ボーイング

2019年、ボーイングとポルシェがタッグを組んで、空飛ぶコンセプトカーを開発すると発表した。そして、この画像がそれだ。まあ、とにかくまだ名前のない空飛ぶクルマがどのようなものであるかを示すイメージだ。

両社ともこれが「離陸」する時期については何も示していないが、2018年のポルシェによる調査では、早ければ2025年には都市型エアモビリティ市場が勢いをつけ始める可能性があるという。

ボーイングのコンセプトカー
ボーイングのコンセプトカー

ヴォワザンC5

ガブリエル・ヴォワザン(1880~1973年)は、自動車会社を設立する以前は航空事業でよく知られていた。フランスの航空業界のパイオニアである彼は、動力飛行が可能な最初期の有人飛行機を製作し、彼の会社アヴィオン・ヴォワザンは世界初の航空機量産メーカーであった。

第一次世界大戦が終わると航空機の需要が激減したため、ヴォワザンは動力付き自転車の実験に着手し、さらにアンドレ・シトロエンの設計をもとに2人乗りの自動車を開発した。そして1919年、M1が誕生した。

ヴォワザンC5
ヴォワザンC5

写真のC5は、1923年から1928年にかけて生産されたもので、最高速度は125km/hに達する。2013年のオークションでは、C25エアロダインという超レアモデルが190万ドル(約2億2000万円)で落札された。

アップルiCar

このIT業界の巨人は、2016年当時、携帯電話で行ってきたように自動車でも革新を行うという大胆な計画を持っていた。しかし、実際の車両を見せることはなく、プロジェクトは謎に包まれたままだった。そして2019年、アップルは「プロジェクト・タイタン」チームを淘汰し、自動車そのものではなく、自動運転システムに焦点を切り替えたと述べている。

2017年からは、本社に近いクパチーノの街中で自動運転技術を搭載したレクサスRX 450hをテストしている。

アップルiCar
アップルiCar

シーメンス・エレクトリッシュ・ヴィクトリア

1840年代に電信技術などの発明で有名になり、今日では消費財、鉄道、医療機器、IT技術で知られているシーメンスは、1905年にEVを製造して未知の領域に足を踏み入れたことがある。このエレクストリッシュ・ヴィクトリアは、最高速度30km/h、航続距離約60kmを誇った。4人乗りのオープンカー、ピックアップ、バンの3種類のタイプが用意され、販売台数は50台程度であった。

2010年、シーメンスは初期のスケッチをもとに実用的なレプリカを製作したが、同年末にドイツで事故に遭い、プロジェクトのリーダーが死亡している。

シーメンス・エレクトリッシュ・ヴィクトリア
シーメンス・エレクトリッシュ・ヴィクトリア

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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