自動車メーカーじゃない会社が作った自動車 34選 前編 カラシニコフからソニーまで

公開 : 2022.02.26 06:05

サムスンXM3インスパイア

サムスンにとって初の自動車プロジェクトは、前述のデジタルコックピットではない。2019年にはルノーとの提携でXM3インスパイアというコンセプトを発表している。XM3は、2018年に登場したルノーのSUVアルカナのリバッヂモデルである。

リアをすぼませ、よりスポーティな外観に仕上げているのが特徴だ。今年、韓国で生産が開始される予定である。

サムスンXM3インスパイア
サムスンXM3インスパイア

メッサーシュミットKR200

第二次世界大戦後、ドイツの有名な航空機メーカーであるメッサーシュミットは、もう航空機を作ることを許されなかったので、代わりに自動車事業に乗り出した。フリッツ・フェンド(1920~2000年)がデザインし、メッサーシュミットが製造したKR200は、「キャビネンローラー(キャビン付きのスクーター)」という愛称で呼ばれた。

この小さな3輪のマイクロカーは、戦後の欧州大陸が安価な移動手段を必要としていた時代に人気を博した。1955年から1964年まで製造されたが、ミニのような少し大きめで快適なモデルが手頃に買えるようになり、マイクロカー市場は縮小していった。メッサーシュミットは1968年に航空業界に復帰し、現在はエアバス社の傘下に入っている。

メッサーシュミットKR200
メッサーシュミットKR200

カラシニコフCV-1

ロシアのカラシニコフといえば、どこにでもあるアサルトライフル「AK-47」が有名だが、近年は武器の世界以外にも手を広げている。2018年には、小型車のIZH-21252をベースにした、ソ連時代を思わせるレトロな外観のハッチバック「CV-1」を公開した。

カラシニコフは、CV-1が90kWhのバッテリーと最高出力690psを持つテスラと同じくらいEV市場にとって重要な存在になると主張している。その設計力というか、自信には敬服せざるを得ない。その後、このプロジェクトについては、ほとんど音沙汰がない。

カラシニコフCV-1
カラシニコフCV-1

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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