自動車メーカーじゃない会社が作った自動車 34選 後編 カラシニコフからソニーまで
公開 : 2022.02.26 06:06
メイタグC
メイタグは米国の洗濯機メーカーで、現在はワールプール社の傘下に入っている。1893年に農家向けの給餌機を作り始めた同社は、1905年に最初の洗濯機を発売。その5年後、創業者はデューセンバーグ夫妻が始めたメイソン・オートモービル・カンパニーを買収し、メイタグ・メイソンの名で1500台の自動車を製造した。
ライトバーン・ゼータ
オーストラリアのエンジニアリング会社ライトバーンは、セメントミキサーと洗濯機の製造から事業を開始した。しかし、1963年に自動車事業に参入。アデレード工場の生産ラインから最初に送り出されたのが、このゼータである。
「セダン」、「ユーティリティ」、「スポーツ」といったボディスタイルがあるが、わずか2年後に工場が閉鎖されるまで、400台しか製造されなかった。
ピールP50
マン島の小さな町の名を冠したピール・エンジニアリング社は、もともとファイバーグラス製のボートやオートバイのフェアリングを製造していた。60年代初頭、同社は街乗り用のマイクロカーの製作に着手する。
ピールP50は1962年に誕生した。価格は現在の貨幣価値で約5000ポンド(約77万円)。2010年に世界最小の自動車としてギネスブックに認定されたP50は、1人の人間と買い物袋が入るスペースしか持たない。2011年には、ガソリン仕様とEV仕様の受注生産を再開し、最高速度はどちらも約45km/hとなっている。
LG
LGのコネクテッド自動運転車は、車輪のついたホームオフィスのようなものだ。このコンセプトは生産まで10年かかるが、2020年のCESショーでは、IT企業が考える自動運転車の未来像を示す試金石となった。
車両に近づくと、顔認識によってドライバーと乗員を認識し、4つのリクライニングシートに割り当てる。それぞれのシートにはコントローラーとタッチスクリーンが付いており、まさにパーソナライズされた体験ができるというわけだ。
また、AIとクラウド技術により、テレビ番組や映画を中断したところから再開することができる。ボタンを押すと、シートの下からスナックトレイが出てくる。フロントガラスの代わりに、巨大な有機ELディスプレイでリアルタイムに道路を表示する。
サーブ92
サーブは自動車で有名だが、30年代後半にはすでに伝説的な軍用機を作っていた。自動車事業に参入したのは、必要に迫られてのことだった。第二次大戦後、スウェーデン人は米国からの輸入車を長い間待たなければならなかったので、サーブは国内市場向けに製造を始めたのだ。
その最初のモデルが、美しい92(写真はプロトタイプ)である。そのデザインは当時としては非常に空力に優れており、1949年の生産開始後すぐに、スウェーデンの道路でラリーに参加するようになった。サーブの自動車部門は2012年に廃業したが、航空機部門は現在も存続している。