欧州フォード 懐かしの車名復活か コルチナ、カプリなど商標登録出願

公開 : 2022.02.25 18:25

フォードは、かつて欧州で人気を博した「コルチナ」などの車名を、新型車で再使用する可能性があります。

車名復活か、あるいは単なる他社使用の阻止か

フォードは、次期マスタングにハイブリッドシステムを搭載するなど電動化を進めているが、近々、欧州で歴史的な車名を復活させる可能性がある。

昨年、フォードの欧州デザインチーフであるムラト・ゲラーはAUTOCARに対し、古い車名を復活させることは、同社にとって賢明なマーケティング策略になり得ると語った。この時、どんな車名が復活するかは言及されなかった。

コルチナ、グラナダ、エスコートなどは欧州で人気を博したモデルだが、その車名はしばらく使われていない。
コルチナ、グラナダ、エスコートなどは欧州で人気を博したモデルだが、その車名はしばらく使われていない。

しかし、フォードは最近、欧州のベストセラー・モデルに関連する名称を商標登録申請していることがわかった。コルチナ、グラナダ、エスコート、カプリ、オリオンだ。

これは純粋に他社による使用を阻止するための動きである可能性もあり、広報担当者はAUTOCARに対し、「知的財産の登録は、将来の製品計画を示唆するものではない」と語っている。

しかし、フォードは、かつてカプリやグラナダなどを製造したのと同じドイツ・ケルン工場で製造予定の新型クロスオーバーの発売を控えていることから、広く知れた車名を新型車に再使用する可能性も否定できない。なお、この新型クロスオーバーは、フォルクスワーゲンのMEBプラットフォームを使用する予定だ。

ゲラーは昨年、AUTOCARにこう語っている。

「わたしが20年前に入社して以来、この業界は最もクレイジーな時期にあり、今ほど破壊的な状況は見たことがありません。さまざまなものが市場に出回り、消費者はあらゆる種類の製品や情報にさらされています」

「中国からは競争力のあるものがたくさん出てきていますし、韓国勢は美しいデザインと高度な技術ですでに競争力をつけています。フォードのようなメーカーにとっては、『どうやって自分のポジションを確保するか』が問題です」

「フォードには過去の名車という資産があり、それを活用することで、製品をエモーショナルに表現し、他のブランドにはないストーリーを語ることができると思います」

ゲラーによると、古い車名を復活させることは、「フォードにとって、今後押し寄せる電動化の嵐から自身を差別化する機会となり得る」という。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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