モデル3に実用性をプラス テスラ・モデルY ロングレンジへ試乗 航続532km

公開 : 2022.03.22 08:25

純EVクロスオーバーの有力な選択肢

テスラに初めて乗ると、ほぼすべての機能や操作が15インチのタッチモニターへ集約されることに感心するか、戸惑うはず。ラジオとエアコンだけでなく、スピードメーターやワイパーまで。

タッチモニター自体の表示はとてもクリアで、操作性は良い。だが雨天時に対向車からフロントガラスへ水が盛大に飛んできた場合など、慌てないとも限らない。リアシート側からシートヒーターの温度や、エアコンの風量などを調整することもできない。

テスラ・モデルY ロングレンジ(英国仕様)
テスラ・モデルY ロングレンジ(英国仕様)

試乗車の助手席側の外部カメラは、映像が安定しなかった。おそらく、結露か何かだろう。

インフォテインメント・システムのメニュー構造などは、全般的にわかりやすい。グーグルが開発したナビや、それと連動した急速充電器のスーパーチャージャー・ネットワークの検索、360度カメラなどは、素晴らしいと思った。

モノとしての製造品質は、従来どおり統一感が若干足りない。特にインテリアの一部は、タッチモニターでの印象と一致しない。バックミラーやサンバイザーは華奢な感じだし、ウインカーなど、コラムレバーを動かした時の手応えも改善できそうだ。

そうはいっても、テスラ・モデルYは純EVクロスオーバーのカテゴリーで、有力な選択肢に加えられる。乗り心地やインテリアの質感など、多少のマイナス点はあるものの、モデル3の品質に優れた実用性が加算されている。総合点は、決して低くない。

テスラ・モデルY ロングレンジ(英国仕様)のスペック

英国価格:6万4990ポンド(約1007万円)
全長:4751mm
全幅:1849mm
全高:1624mm
最高速度:217km/h
0-100km/h加速:4.8秒
航続距離:532km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2003kg
パワートレイン:AC誘導モーター(フロント)+AC同期モーター(リア)
バッテリー:75kWhリチウムイオン(予想)
最高出力:440ps(システム総合)
最大トルク:58.5kg-m(システム総合)
ギアボックス:−

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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