携帯電話見本市で新型EVを披露 フィスカー・オーシャン、欧州正式デビュー
公開 : 2022.03.01 18:05
米国のEVメーカーであるフィスカーは、世界最大級のICT関連見本市で新型EVオーシャンを披露しました。
世界最大級のICT見本市で堂々の欧州デビュー
スペイン・バルセロナで開催された携帯電話関連見本市モバイル・ワールド・コングレス(Mobile World Congress)で、新型EVのフィスカー・オーシャンが大勢の観衆を前に欧州での正式デビューを果たした。
フィスカーのCEOであるヘンリック・フィスカーは、この見本市が新型フィスカーを公に発表するための「理想的な場所」であると述べている。オーシャンは、昨年のロサンゼルス・モーターショーですでに一般公開されている。オーストリア・グラーツのマグナ・シュタイヤー社で生産され、2023年の第2四半期に納車を開始する予定だ。
フィスカーは最近、ドイツ・ミュンヘンに欧州部門オフィスを開設し、欧州市場での年間販売台数を約6万台と見込んでいる。
オーシャンは、競争力のある性能、多くの先進技術、最大560kmの航続距離を備え、アウディQ4 eトロンやBMW iX3に対抗すると期待されている。また、衝突試験とホモロゲーションのため、パイロット生産も実施される。
デザイン面では、2019年に初めて公開されたコンセプトとほぼ変わらず、「空力的な電動ハッチバック」ではなく「真のSUV」と表現されている。路上での存在感を強調するスリムなライト、ショートオーバーハング、ワイドスタンスが特徴で、今後登場するであろう新モデルのデザインの方向性も見えてくる。
5人乗りで、インテリアには再生漁網、古着、古ゴムからなる「完全ヴィーガン」な素材を使用し、サステナビリティに取り組む姿勢を見せている。フィスカーは、「世界で最もサステナブルなEV」と主張する。
また、すべての窓を下げ、ルーフを格納することでオープンカー風の走りを実現する「カリフォルニア」モード、後席乗員が車内の各種機能を操作できる「リモ」モード、停車中に縦向きから横向きに切り替え可能な17.1インチの回転式インフォテインメント・タッチスクリーンなどを搭載する。
航続距離600km以上 ソーラールーフも
欧州仕様のグレードは3種類。エントリーグレードの「スポーツ」はフロントアクスルに最高出力279psのモーターを搭載し、0-97km/h加速6.6秒を実現。続く「ウルトラ」は前後アクスルにモーターを搭載して出力を547psに高め、0-97km/h加速3.9秒を達成する。
さらに、最上級の「エクストリーム」では558psに強化され、0-97km/h加速も3.6秒に短縮される。フィスカーはバッテリー容量をまだ公表しておらず、充電速度はまだテスト中であるとしている。
エントリーモデルのスポーツには、443kmの走行が可能な「ツーリング」バッテリーが搭載される。主な装備は、17.1インチのタッチスクリーン、「ビッグスカイ」ルーフ、電動テールゲート、クルーズコントロール、自動ヘッドライトなど。
中間グレードのウルトラには「ハイパーレンジ」バッテリーが搭載され、航続距離は628kmに延長される。オープンスカイルーフ、自動緊急ブレーキ、遠隔車両探知機、「ドギーウィンドウ」、カリフォルニア・モードが標準装備となる。価格は4万8900ポンド(約753万円)から。
最上級グレードのエクストリームは5万9900ポンド(約923万円)からで、荒天時の安定性を高めるスマート・トラクション、360度カメラ、ワイヤレスの携帯電話充電器、レーンチェンジアシスト、回転式インフォテインメント・システムが装備されている。
また、エクストリームのルーフにはソーラーパネルが搭載され、晴れた日には電力を補充できるようになっている。フィスカーによると、このルーフは年間最大2400kmの航続距離を生み出すことができるという。