携帯電話見本市で新型EVを披露 フィスカー・オーシャン、欧州正式デビュー

公開 : 2022.03.01 18:05

上位モデルにはCATL製バッテリー採用

3つのグレードに並び、限定生産の「ワン」仕様も設定されている。エクストリームをベースにした限定モデルで、最初の5000台に適用される予定。22インチのホイールと記念サインを装着しており、価格は5万9900ポンド(約923万円)から。

フィスカーは、無線によるアップデート、先進技術、そして持続可能性が、オーシャンを成功へと導くと述べている。

フィスカー・オーシャン
フィスカー・オーシャン

走行モードは「アース」と「ファン」を全車標準で設定。上級グレードのウルトラとエクストリームには性能を高める「ハイパー」モードが追加され、後者には専用の「オフロード」モードも用意されている。

ウルトラとエクストリームには、中国のCATL社が供給するニッケル・マンガン・コバルト(NMC)バッテリーが採用されており、フィスカーによると「クラストップの航続距離とパフォーマンス」を実現するとのことだ。

ユニークな機能と性能を兼ね備えた先進EV

フィスカーCEOは、「性能、価値、持続可能性を兼ね備えたユニークなEVができたと想います。カリフォルニア・モード、17.1インチの回転スクリーン、クラス最長の航続距離といった業界初の機能を備えているのです」と語り、販売成功には欧州市場が「不可欠」であるとしている。

CEOはAUTOCARの取材に対し、バッテリーとパワートレインは「今年選定した」ものであり、オーシャンの欧州市場投入を少し前に控えた段階だったと述べている。その理由は、「自動車業界では、車両開発に4年ほどかかるのが一般的なサイクルなので、(消費者が)購入するときには2年半から3年前の技術になっている」ためだという。

フィスカー・オーシャン
フィスカー・オーシャン

「それを、2年半という短い開発期間に変えようとしているのです。その秘訣は、素晴らしいエンジニアリングと開発チームを持っていることにあります。当社は高品質のクルマを作るため、マグナ社と緊密に連携して生産を行います。工場を建てたり、クルマの作り方を指導したりする必要はないのです。それが当社のビジネスモデルの利点であり、差別化要因となるでしょう」

英国での価格は3万4990ポンド(約540万円)からとなっているが、本拠地の米国では3万7499~6万8999ドル(約430~780万円)で販売される。フィスカーCEOは、欧州で製造することで輸入税やコストを抑えられると述べている。

オーシャンは、フィスカーが計画するEVシリーズの第1弾である。このモデルに続いて、IT大手フォックスコンと共同開発した新モデル「プロジェクト・ピア」が、2023年末から比較的手頃な価格帯で発売される計画だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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