ポップな電動バギー シトロエン・マイ・アミ・バギー・コンセプトへ試乗 量産検討中
公開 : 2022.03.11 08:25
シトロエンが生み出した電動マイクロカー、アミ。バギー風モディファイを受けた試作車を、英国編集部が楽しみました。
アミがベースのレジャー・オフローダー
シトロエンは、純EVマイクロカーのアミをベースにした、オフロードモデルの生産を検討している。その試作車が、今回試乗したマイ・アミ・バギー・コンセプトだ。
とても小さなシトロエン・アミは、2022年後半には英国で販売が始まる予定。その多様性を示すべく、バギー風に仕立てられている。
当初はワンオフのコンセプトカー留まりだったようだが、実はかなりポジティブな評価を集めたらしい。市民の意見が、量産化へ向けた検討をシトロエンへ促したようだ。
かわいいアミに、ゴツい要素がミックスされている。ミニ・モークやフォルクスワーゲン・ビートルがベースのビーチバギーなど、ポップなレジャー・オフローダーをフランス流に解釈したものといえる。
ただし試乗したマイ・アミ・バギーは、まだ量産化前のコンセプトカー。オフロード用のブロックタイヤや、ワイルドなヘッドライトガードなどを装備しているが、最終的にはスタイル重視のソフトな仕様に落ち着く可能性が高い。
小径で肉厚なタイヤを履き、ディティールのデザインはアウトドア・ファッションへ通じる。ドアのない開放的なドライビング体験は、きっと南フランスをのんびり走らせるのにもピッタリだ。
スリルやスピードとは別の次元の楽しさ
試乗したのは、凍えるように寒い英国。ステランティス英国本社の、駐車場に限られた。ドアがないから、容赦なく冷たい空気が吹き込んでくる。見た目はオフローダーだが、ワンオフのコンセプトカーだから防水機能は備わらない。
透明のビニールが張られた防雨カバーもあるそうだが、取り付け作業は少々難しいらしい。時間も限られていたから、我慢してオープンエアを楽しむことにした。
マイ・アミ・バギーは、急いで走ることを前提にしていない。ゴールドのホイールを覆うタイヤが勇ましい雰囲気を醸し出しているが、ホイールアーチとの間隔が狭い。激しく運転すると、貴重な専用ボディがタイヤと当たってしまう。
しかも試乗コースは基本的に直線と、緩やかなカーブのみ。動的能力を確かめることも難しかった。
それでも、マイ・アミ・バギーの楽しさは充分に感じ取れる。駐車場の周辺を小気味よく走らせていると、スリルやスピードとは別次元の、ドライビング体験が目指されていることが伝わってくる。
この小さなコンセプトカーが目指すところは、より自由な移動を安価に提供すること。そもそも、ベースのシトロエン・アミのライバルは一般的なコンパクトカーだけでなく、電動アシスト自転車や、電動スクーターなども含まれる。
本気のオフロード性能も、狙ってはいない。気軽にビーチまで足を伸ばすためのマイクロカーだ。沢山の注目を集めるとは思うが。