ポップな電動バギー シトロエン・マイ・アミ・バギー・コンセプトへ試乗 量産検討中

公開 : 2022.03.11 08:25

自由な走りを全面に表現した見た目

その2点を、マイ・アミ・バギーはしっかり抑えている。スチール製シャシーに溶接されたカンガルーバーや、ルーフに搭載されたスペアタイヤとスポットライト、リアウイングのスプラッシュ塗装まで、自由さが全面に表現されている。実物はかなりイイ。

クルマのサイドには、パイロットとコパイロットのレタリングがあしらわれている。スポイラーに描かれた黄色い矢印が、勢いよく空気を切り裂いてくれそうに見える。

シトロエン・マイ・アミ・バギー・コンセプト
シトロエン・マイ・アミ・バギー・コンセプト

ドアパネルはないものの、シトロエンは側面保護の観点から、膝下部分にフレーム状のドアを追加した。中央には取外し可能なバッグが付いているから、ビーチで楽しく過ごすアイテムや、必要ならレインコートもしまえる。

その小さなドアは、通常のアミと同じようにヒンジで開閉する。だが、開けずに乗り降りできてしまうというお茶目さだ。

量産化の可能性はゼロではない

飾り気のないシンプルなインテリアは、通常のアミに通じる。それでも、実用性を高めつつ、バギー感を演出する要素も追加されている。

ステアリングホイールの中央には、マグネットで固定されたパッドが付く。スマートフォンは、スタイリッシュなホルダーに固定できる。カップホルダーが2つ備わり、ダッシュボードには取外し可能なモバイル・スピーカーも設けられた。

シトロエン・マイ・アミ・バギー・コンセプト
シトロエン・マイ・アミ・バギー・コンセプト

このスピーカーを持ち出し、ドリンクと一緒に砂浜でスマートフォンの音楽を楽しめるという想定だ。日が沈んだら、ルーフ上のスポットライトが役に立つだろう。

ポップなマイ・アミ・バギー・コンセプト。本来は真剣に量産化を前提としたクルマではないから、真面目な評価は避けておこう。とはいえアミの派生モデルとして、こんなオフローダーが発売されるかもしれないと聞けば、興奮してしまう。

指をクロスして、量産化の可能性に期待したい。もっと暖かい場所での試乗も一緒に。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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