ロシアのウクライナ侵攻に対する自動車業界の反応 紛争が与える影響とは

公開 : 2022.03.03 06:05  更新 : 2022.03.19 14:15

三菱

ロイター通信によると、三菱は部品供給が途絶える可能性があるため、ロシア向け車両の生産と販売を停止する可能性があるという。三菱はロシア国内に141のディーラーを有している。

三菱アウトランダーPHEV
三菱アウトランダーPHEV

ルノー

ルノーの株価は、欧米の対ロシア制裁の影響で月曜日に6.4%下落した。同社はロシアの自動車メーカー、アフトワズを所有しており、部品不足のため、ロシアの生産施設での組み立てラインを1日停止した。

ルノーは以前にも供給問題を理由にモスクワの工場を閉鎖したことがある。同工場では、クロスオーバー車のアルカナやキャプチャーなどのモデルを生産している。

ルノー・キャプチャー
ルノー・キャプチャー

トルサス

派手なオフローダーを作ることで知られているトルサスは、工場や事務所を構えるウクライナへの侵攻に反対を表明した。

「トルサス・キエフのチームはこの恐ろしい日々をどうしているのか、何かサポートは必要なのか、世界中から複数の電話やメッセージを受け取っている」とソーシャルメディアに投稿している。

トルサス・プレトリアン
トルサス・プレトリアン

「当社はキエフのチームと常に連絡を取り合っている。当社の従業員とその家族は無事だ。ウクライナ政府が推奨するあらゆる注意を払うよう、強く推奨する。安全が確認されるまで防空壕から出ないようにしてほしい」

トルサスの企業戦略担当ディレクターであるユリヤ・ホミーチ氏は、事業本拠地であるプラハに向けて国を離れた。同氏は次のように述べている。

「トルサスは、自国のため、そして欧州全体の平和のために戦うウクライナとウクライナ人の側に立っている」

「我々は、各国政府にSwift(銀行間の送金を容易にするシステム)を完全停止し、ロシア経済の金融や技術へのアクセスを遮断するために利用可能なあらゆる手段を講じることで、ウクライナを支援するよう求める」

ステランティス

ステランティスのカルロス・タバレスCEOは、ロシアでの事業の行方について、「政治家が何を決定するかに大きく依存する」と述べている。

「当社はコンプライアンスを守る企業であることを期待されている。平時のルール、法律、規制を遵守し、戦時には制裁を遵守する」

ステランティスのカルロス・タバレスCEO
ステランティスのカルロス・タバレスCEO

先週、ステランティスは71人のウクライナ人従業員を注視するタスクフォースを立ち上げた。

欧米がロシアに課している制裁について、タバレスCEOは「今のところ、これらの制裁は非常に的を射ているが、当然、工場が稼働できなくなる時期が来るだろう」と述べた。

「カルーガにある三菱自動車との提携工場は、部品があれば操業できるが、そうでなければ操業できない」

ロシアの工場では、シトロエンオペルプジョーの小型商用車を生産しており、これを西欧に輸出する準備を進めていた。

また、タバレスCEOは、「従業員を大切にすることが重要だ。当社には、170もの国籍の人が働いている。世界で最も多様性のある自動車会社だ」とコメントしている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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