ロシアのウクライナ侵攻に対する自動車業界の反応 紛争が与える影響とは
公開 : 2022.03.03 06:05 更新 : 2022.03.19 14:15
トヨタ
ロイター通信によると、トヨタは樹脂部品のサプライヤーの1つを標的としたサイバー攻撃により、1万3000台の生産に影響が出たという。
トヨタは攻撃について直接ロシアを非難していないが、このサイバー攻撃は、日本が西側同盟国とともにロシアの銀行がSwiftシステムにアクセスできないようにするなど、侵攻国への制裁を行うと発表した直後に発生した。
岸田文雄首相は「ロシアとの関係等についてもしっかり確認したうえでなければ、答えることは難しい」と述べている。
フォルクスワーゲン・グループ
フォルクスワーゲン・グループは、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、難民支援団体Unofluchtに100万ユーロ(約1億2800万円)を寄付する予定だ。
同社はソーシャルメディアに次のように投稿した。
「フォルクスワーゲン・グループは、ウクライナの現状を非常に憂慮している。グループ経営委員会は、長年のパートナーであるUnofluchtに100万ユーロを寄付することを決定した」
また、「フォルクスワーゲン・グループは、ロシアのウクライナに対する攻撃を大きな懸念と失望をもって受け止めている」とし、戦闘行為の「早期停止」を望んでいると述べた。
「当社は、この紛争の持続可能な解決は、国際法に基づいてのみ行われると確信している。我々の思いは、現地にいるすべての人々とともにある。従業員を含め、すべての人の安全が最優先だ」
スコダ
チェコの自動車メーカーであるスコダは、ロシアのウクライナ侵攻に関する声明を発表した。ウクライナに約600人の従業員を擁し、西部の町ソロモノヴォで自動車を生産している同社は、約40万ユーロ(約5440万円)を慈善団体People in Needに寄付するという。
また、ウクライナ人労働者が「チェコ共和国で安全な生活を築けるよう」、ビザ申請、宿泊施設、語学コース、雇用、教育などを支援すると表明。
「『人』は当社のブランド価値の1つである。今、この価値を行動に移すことがこれまで以上に重要になっている。当社と一緒に、我々の助けを必要とする人たちを応援しよう」
スコダは侵攻による供給不足のため、減産も余儀なくされている。
「現在のウクライナ情勢により、スコダは複数の現地サプライヤーからの部品の供給不足が深刻で、一部のモデルに影響が及んでいる。そのため、今週からエンヤクiV(同社の主力SUV)の生産を制限する」
スコダのサプライチェーンは、ウクライナ西部に拠点を置く複数のサプライヤーで構成されている。ロシアにも2つの工場があり、こちらはまだ稼働しているが、さらなる混乱が予想される。
「ロシアとウクライナでの販売戦略については、現在、集中的に議論している。ウクライナ、ロシアともに、最近の状況を鑑みれば、販売台数は減少することが予想される」
ロシアはスコダにとって2番目に大きな市場であり、2021年は約9万台を販売している。