WRCの栄光を市販車に スバル・インプレッサ P1とフォード・エスコート RSコスワース 後編

公開 : 2022.03.20 07:06  更新 : 2022.11.01 08:57

ドラマチックなドッカンターボ

最高出力227psで車重は1275kgだから、現代の高性能モデルと比べれば、目を剥くほど速いわけではない。だが、ドッカンターボ的なパンチ力がドラマチック。オールドスクールな個性として歓迎できる。

それは、今だからいえることかもしれない。1000rpmほど低い回転数からパワーを引き出せた、小径ターボの後期型エスコート RSコスワースの方が、乗りやすいクルマだったことは間違いない。とはいえ、ビッグターボも楽しい。

ブラックのフォード・エスコート RSコスワースとブルーのスバル・インプレッサ P1
ブラックのフォード・エスコート RSコスワースとブルーのスバルインプレッサ P1

インプレッサ P1も、エスコート RSコスワースも、現在では考えられないほど、モータースポーツでの活躍に影響を受けたモデルだ。多くのオーナーが林道を攻めることはなかったが、市街地のターマックで秘めたポテンシャルを誇示した。

どちらも、WRCの最前線で活躍するラリーチームによって生み出されている。放たれる栄光のオーラは、2022年でも薄れていないように見えた。

協力:ブランズハッチ・サーキット、ポール・ペインター氏、P1 ウェブ・オーナーズクラブ

エスコート RSコスワースとインプレッサ P1 2台のスペック 

フォード・エスコート RSコスワース(1992〜1996年/英国仕様)

英国価格:2万524ポンド(1992年時)/8万5000ポンド(約1317万円)以下(現在)
生産台数:7145台
全長:4211mm
全幅:1742mm
全高:1425mm
最高速度:231km/h
0-97km/h加速:5.7秒
燃費:9.9km/L
CO2排出量:−
車両重量:1275kg
パワートレイン:直列4気筒1993ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:227ps/6250rpm
最大トルク:31.0kg-m/3500rpm
ギアボックス:5速マニュアル

スバル・インプレッサ P1(2000〜2001年/英国仕様)

英国価格:3万1500ポンド(2000年時)/6万ポンド(約930万円)以下(現在)
生産台数:1000台
全長:4350mm
全幅:1690mm
全高:1400mm
最高速度:241km/h
0-97km/h加速:4.7秒
燃費:8.5km/L
CO2排出量:−
車両重量:1295kg
パワートレイン:水平対向4気筒1994ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:280ps/6500rpm
最大トルク:35.8kg-m/4020rpm
ギアボックス:5速マニュアル

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    オルガン・コーダル

    Olgun Kordal

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

WRCの栄光を市販車に スバル・インプレッサ P1とフォード・エスコート RSコスワースの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事