四角い見た目が個性的 フォード・マーベリックへ試乗 新・小型ピックアップ登場

公開 : 2022.03.15 08:25

柔軟に使えるというピックアップの魅力

運転席に座ると、正面と側方の視界は良好。後方は、スライド式のリアガラスで多少遮られている。ちなみに全長は5mを超える。40年前のF-150より大きい。

試乗車は四輪駆動のFX4で、ファルケンのオールテレーン・タイヤとオフロード仕様のサスペンションが組まれていた。乗り心地は、ノーマルのタイヤとサスペンションの方が、快適だと思われる。

フォード・マーベリック 2.0 ラリアットAWD(北米仕様)
フォード・マーベリック 2.0 ラリアットAWD(北米仕様)

コーナリングは、ブロンコ・スポーツより軽快さが低い。乗り心地も、鋭い隆起部分などの振動が、多く伝わってきていた。

それ以外の印象は、SUVに近い。来年モデルチェンジ予定の、レンジャーより質感は良さそうだ。ピックアップは代を重ねる毎に、乗用車ライクになっている。運転も駐車も、しやすいと感じるだろう。

253psのエコブースト・エンジンは低回転域で気だるいものの、充分なトルクを提供してくれる。燃費は、ハイブリッド版より約50%ガソリンの消費量が多い、10.3km/Lがカタログ値。今回の市街地中心の試乗では、8.5km/Lを超えなかった。

日常的に荷台で荷物を運ぶ必要性がない限り、ピックアップ・トラックを乗用車代わりにすることは、欧州や日本ではメジャーではないと思う。リアシートの下に買い物袋を収納できても、SUVの方が使い勝手で勝ることは間違いない。

しかし、柔軟に使えることが最大の魅力。週末をアウトドアで過ごしたいと考える人にとって、フォード・マーベリックは強く響くに違いない。

フォード・マーベリック 2.0 ラリアットAWD(北米仕様)のスペック

価格:4万4506カナダドル(約405万円)
全長:5072mm
全幅:1844mm
全高:1745mm
最高速度:177km/h
0-100km/h加速:6.0秒(予想)
燃費:10.3km/L
CO2排出量:226g/km
車両重量:1694kg
パワートレイン:直列4気筒1999ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:253ps/5500rpm
最大トルク:38.2kg-m/3000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    グラハム・ヒープス

    Graham Heeps

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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