スバル・ソルテラ・プロトタイプ試乗 BEVの美点、「シームレス感」強し

公開 : 2022.03.09 07:00

これまで以上 「上質さ」の片鱗

モーターの出力は前後総計で160kW(約218ps)、車重は2.3t弱もあるのでパワフルという感じはしない。

それでも「シームレス」なのでパワー不足も感じない。

スバル・ソルテラ・プロトタイプ
スバルソルテラ・プロトタイプ    神村聖

ソルテラにはbZ4Xにないステアリングパドルがあり、減速特性を4段階で変更できる。

またSペダルドライブというモードを選ぶとワンペダル的な運転ができ、より繊細なドライビングが可能となる。

サスペンションは金属スプリングを用いた一般的なものだが、車重の重さも手伝って乗り心地はとても上質に感じられた。

今回は横Gが掛かるような走りを試せなかったのでハンドリングについて深く言及することはできないが、見た目と走りとも、これまでのスバル車以上の上質さの片鱗が感じられた。

圧雪路の印象は悪くなかったが、アスファルト路面ではどうかという点は大いに気になる。

というのも今回の試乗条件(圧雪路+スタッドレス)は車重が重く、結果として太いタイヤ幅が設定されている(前後235)車両に有利に働くからである。

この手の、見た目以上に重いクロスオーバーで一般道を走ってみると、圧雪路とは印象が違い、バタバタとした乗り心地を示した例は過去にもあった。

またGR 86/BRZとは逆で、スバルの方がスプリングが硬めという点ではbZ4Xとの比較も興味深い。

ともあれ、トヨタ・スバル・アライアンスのおかげで国産BEVが本当の意味で始動した! という感は強い。

これからの展開に大いに期待したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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