年産25万台規模 フォルクスワーゲン、新工場建設決定 次期EV「トリニティ」を生産
公開 : 2022.03.09 18:45
フォルクスワーゲンはドイツにEV用新工場の建設を決定。来年春に着工し、年間生産25万台を見込んでいます。
EV生産能力の大幅拡大
フォルクスワーゲンは、20億ユーロ(約2510億円)を投じて、2026年から新型EV「トリニティ」を製造する新工場をドイツに建設する予定だ。
既存のヴォルフスブルク工場の近くに位置し、「フォルクスワーゲンの主要拠点の歴史上、最大の近代化プログラムの重要な要素」になるという。
2023年春に同市のヴァメナウ地区で着工する予定。工場の製造効率については、ベルリン近郊のグリューンハイデで現在建設の最終段階に入っているテスラの新ギガファクトリーに匹敵することを目指している。
フォルクスワーゲンは、トリニティ1台の製造時間を10時間とすることを目標に、ヴァメナウの工場で新しい生産理念を導入する予定だ。その理念とは、「少ないバリエーション、少ないコンポーネント、多くの自動化、スリムな生産ライン、新しいロジスティック・コンセプト」である。
既存の工場でトリニティを製造するのではなく、新しい拠点を開設することで、他の車両の生産を中断する必要がなく、新しい生産工程もより容易に導入できる。フォルクスワーゲンは以前、既存のヴォルフスブルク工場を改修するよりも新工場を建設する方がコストも安くなると述べている。
新工場では、年間最大25万台の生産を想定している。これは、現在のヴォルフスブルクの年間生産能力50万台に上乗せされるものだ。ライバルとされるテスラは、ドイツの新しいギガファクトリー工場は最大年間50万台の生産量を誇ると発表している。
トリニティは、フォルクスワーゲンの新しいSSP(スケーラブル・システム・プラットフォーム)を採用するフラッグシップEVとなる予定だ。SSPは、既存のMEBプラットフォームよりもさらに優れたモジュール性を持ち、レベル4の自動運転にも対応しており、最終的には4000万台以上の車両に使用されると予測されている。