世界シェア倍増 売れまくるバッテリーEV 欧州と中国の旺盛な需要が牽引

公開 : 2022.03.09 06:25

2021年のバッテリーEVのシェアは6%と、前年から倍増。半導体危機の中でも粘り強い成長を見せました。

世界で420万台 従来メーカーも大きく成長

バッテリー電気自動車(BEV)が世界の自動車市場に占める割合は、わずか1年前の3.1%から、2021年末には6%に上昇している。

調査会社のジェイトー・ダイナミクスが発表した最新の自動車販売データによると、BEVの人気は急上昇しており、主に中国での需要増が牽引していることが分かる。中国市場は昨年のBEV世界販売の約半分を占めている。

SUVを中心に拡大するEV製品群。新興メーカーも続々と参入している。
SUVを中心に拡大するEV製品群。新興メーカーも続々と参入している。

ジェイトーはまた、欧州での増加とともに北米でBEVが「勢いを増し始めた」としつつ、「世界の他の市場では引き続き遅れをとっている」と指摘した。

全体として、昨年は世界で約420万台のBEVが販売された。BEVの販売増は、半導体危機によりほとんどの自動車メーカーの生産が抑制され、ガソリン車やディーゼル車の需要が減少したのとは対照的であった。

テスラは昨年、世界のBEVシェアの21%を占めているという。一方、フォルクスワーゲン・グループやステランティスなど従来の自動車メーカーも、大きな成長を記録した。

ジェイトーは次のように述べている。

「2018年に北米、2019年に中国と欧州にモデル3が登場したおかげで、テスラは世界をリードするBEVメーカーとしての地位を維持することができたのです」

モデルYも成功を収めていますが、テスラは比較的限られた製品で消費者からの注目を維持し、緩やかな拡大を続けることができています」

ジェイトーは、テスラの「目覚ましい成長」が、既存の欧米メーカーがBEV市場に足場を築く道を開き、中国でもEVに対する認知度が高まっていると指摘する。

一方、米国では、さまざまな市場要因によってEVの「大幅な普及が遅れている」という。しかし、燃料価格の上昇と、テスラのような人気のある新しいブランドの出現が、「市場の変化を下支えしている」とのことだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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