老若男女に高評価なデザイン ルノー・アルカナ E-テック(2) 長期テスト
公開 : 2022.03.20 09:45
上級ブランドから火の付いたクーペSUV人気に、フランスのルノーも参戦。長期テストで実力を検証します。
もくじ
ー積算2265km モモ社製ベガに似たホイール
ー積算4744km 高さ方向が限定される荷室
ー積算5301km 久しぶりの長距離ドライブ
ー坂道で気になるエンジンノイズ
ーボディもインテリアもデザインは高評価
ーテストデータ
積算2265km モモ社製ベガに似たホイール
長期テスト車両が履いている、パサデナというアルミホイールは、Sエディションという欧州グレードに標準装備。とてもデザインが良く、気に入っている。
どこかで見覚えのあるデザインだな、とも思っていた。そして先日、1970年代のアルファ・ロメオ・スパイダーがしばしば履いていた、モモ社製のベガ・ホイールに似ている事に気がついた。
しかし、クルマはクロスオーバー。ゴムはミシュランやピレリではなく、クムホだという点も時代の変化を感じる。ちなみにサイズは、18インチの215/55だ。
積算4744km 高さ方向が限定される荷室
アルカナのようにスタイリング優先のクルマの場合、実用性で多少の犠牲はつきもの。スペック上の荷室容量は480Lとなっているが、オプションのスペアタイヤを載せると荷室フロアは下げられず、傾斜したルーフラインが高さ方向を制限する。
愛犬を荷室へ乗せる時も、伏せの体勢を取らせないと頭をぶつけそうだ。硬いトノカバーも、置き場に困ることがある。
積算5301km 久しぶりの長距離ドライブ
毎日の通勤のほかは、COVID-19の影響で、自宅周辺の走行に限られていたアルカナ。だが年末年始の休暇を利用して、グレートブリテン島の西、ウェールズ地方まで足を伸ばす機会があった。
年末で混雑するロンドン中心部から脱出し、友人とディナーを楽しんだ後、西のウェスト・ミッドランズ州に住む祖父母と合流。2人と荷物を載せて、ウェールズ地方の実家までスムーズに走るという計画を立てた。
ルノーのハイブリッド・システム、E-テックは、ガソリンエンジンと電気モーターを効率的に動かし、長距離を経済的に移動できる。車内空間も、家族での移動に不足はない。
祖父母へアルカナの印象を聞いてみたところ、硬めのシートをあまり好まなかった様子。これまで乗っていたクルマの方が、ソフトで座り心地が良かったと話していた。サポート性の良い、ドライバーズシートは素晴らしいと思うのだけれど。
硬めのサスペンションも、その印象を強めていたのだろう。路面次第ではタイヤからの入力が車内へ伝わり、常時落ち着いているというわけではなかった。
坂道で気になるエンジンノイズ
筆者が気になったのは、登り坂などで頑張った時の、1.6L 4気筒ガソリンエンジンが放つ大きめのノイズ。右足を丁寧に傾ければ、一定の距離を駆動用モーターだけで走行できる。その時が静かなだけに、目立ってしまう。
エンジンの最高出力は144ps、最大トルクは20.4kg-mとパワフルとまではいえないにしても、充分。燃費は良いものの、もう少し滑らかに回転しても良いだろう。
フロントガラスのワイパーは、自動感応式の間欠モードで、ウェールズ地方の霧雨のような降り方が苦手なようだった。動き自体は滑らかで、静かなのだが。
クーペボディでありながら、リアワイパーがないことは少し疑問。基本的に後方視界が良いとはいえない。雨の日は、リアガラスがすぐに汚れてしまう。そのかわり、バックする際はカメラ映像がとても役に立つ。
一方で、アルカナは雨のワインディングでも安心して運転できる。特に祖父母を乗せているような場面では、外せないキャラクターだといえる。