最大7人乗りの電動バン 新型フォルクスワーゲンID.Buzz 欧州発表 「バス」の現代版
公開 : 2022.03.11 09:45
ワーゲンバスの現代版として、完全EVの新型ID.Buzzが登場。使い勝手を重視した5~7人乗りのバン。
5年越しのデビュー 次世代の電動バン
初代マイクロバスをEVとして復活させたフォルクスワーゲンID.Buzz(IDバズ)が、2017年のデトロイト・モーターショーで公開されてから5年。待望の市販モデルが発表された。
既存のフォルクスワーゲン・マルチバンと同じドイツ・ハノーバー工場で生産される完全EVで、乗用車と商用車(後者はID.Buzzカーゴ)の2種類が5月に欧州で発売される予定だ。10 月には納車を開始する。
当初は1モーター、後輪駆動の仕様で販売される。リアに同期モーターを搭載し、最高出力204ps、最大トルク31.5kg-mを発揮する。
価格はまだ正式には発表されていないが、商用車は4万ポンド(約600万円)前後から、乗用車は5万ポンド(約760万円)近くになると予想される。メルセデス・ベンツEQVなどと競合することになるだろう。
グレードは「ピュア」、「プロ」、「パック」の3種類を用意。2023年にはデュアルモーター、四輪駆動のパワフルなモデルが、2024年にはキャンパー仕様のID.Buzzカリフォルニアがラインナップに加わる予定だ。
乗用タイプのID.Buzzは、内燃機関搭載のマルチバンと同様のボディスタイルとなっている。5人乗りスタンダードホイールベースモデルに加え、2023年には7人乗りのロングホイールベースモデルも導入する予定。いずれも、フロントドアは従来のヒンジ式、リアは左右スライドドア(オプションで電動式)、テールゲートは上開き式となる。
商用タイプのID.Buzzカーゴは、サイドに1枚または2枚のスライドドア、リアに上開き式のシングルテールゲートまたは観音開きの窓なしドアのいずれかを備える。
ホイールベースはMEB最長 3列シートも
フォルクスワーゲンの汎用性の高いEV用プラットフォーム「MEB(Modularen Elektrik Baukasten)」をベースにしたID.Buzzは、初期のコンセプトと同様に箱型のプロファイルを持ち、全体的に角張ったデザインになっている。
コンセプトとの違いとしては、フロントガラスがやや後方にセットされ、衝突安全性能と空力効率が向上している。また、LEDヘッドライトやフルワイドLEDテールライトなどのディテールも見直され、よりテクニカルな外観となった。ホイールは19インチと20インチを装着できる。
スタンダードホイールベースのモデルは、全長4712mm、全幅1980mm、全高1938mm。既存のマルチバンよりも全長で192mm、全幅で76mm、全高で32mm小さくなっている。ホイールベースは2988mmで、フォルクスワーゲンID.3、ID.4、ID.5、中国市場向けID.6などMEBベースのモデルとしては最長となる。ただし、マルチバンのホイールベース(3000mm)にはわずかに及ばない。
ロングホイールベースモデルのサイズは未確認だが、関係者によれば、ホイールベースが250mm長くなり、最大3列のシートを収容できるようになるとのことである。
前面投影面積が大きいにもかかわらず、空気抵抗係数のCd値は乗用タイプで0.28、商用タイプで0.29と、バンの基準からするとかなり低い。