最大7人乗りの電動バン 新型フォルクスワーゲンID.Buzz 欧州発表 「バス」の現代版

公開 : 2022.03.11 09:45

使い勝手重視の室内 収納も豊富

インテリアでは、マルチバンと同様の人間工学に基づいたドライビングポジションを、独自のスタイルで実現している。フロントシートはID.4より261mm高くセットされ、全方位の視認性を高めた。また、上級グレードの「プロ」にはアームレストを装備し、キャプテンチェアのような仕様となっている。

ハイマウントでミニマルなダッシュボードには、5.3インチのデジタルメーターディスプレイと10.0インチインフォテインメント・タッチスクリーン(オプションで12.0インチ)を搭載。他のIDモデルでは、メーターディスプレイの高い位置にロッカー式コントローラーが取り付けられているが、ID.Buzzではステアリングコラムに取り付けられたレバーで操作する。このレバーでは、D(ドライブ)やB(バッテリー)など走行モードも変更可能だ。

フォルクスワーゲンID.Buzz
フォルクスワーゲンID.Buzz    フォルクスワーゲン

室内をより広く見せるために、2トーンカラーを含むさまざまなカラーリングを用意。アンビエントライトもオプションで追加できる。

収納スペースを重視し、ダッシュボード下部に2つの大型ドリンクホルダーが現れるコンパートメントや、フロントシートとドアトリムの間に「バズ・ボックス」と呼ばれる栓抜きとアイススクレーパーを備えたセンターコンソールを装備している。

フォルクスワーゲンはまた、最大8つのUSBポートと、オプションで携帯電話のワイヤレス充電器を設定するとしている。

荷室広々 商用ユースに対応

他のIDモデルと同様に、内蔵SIMカードによるOTA(無線)ソフトウェアアップデート機能を搭載し、ディーラーなどに立ち寄ることなく各種機能のアップデートができるようになっている。最上級グレードでは、V2X通信(他の車両やインフラなどとの接続)、ローカルハザードワーニング、自動車線変更機能を備えた「トラベルアシスト」など、30 種類以上の運転支援システムを搭載している。

リアシートは60:40分割で折りたためるが、取り外してラゲッジ容量を拡張することはできない。スタンダードホイールベースモデルのラゲッジ容量は1121Lで、リアシートを倒すと2205Lに拡大できる。荷室フロアは完全なフラットではないが、フォルクスワーゲンによると、オプションでベッドフロアが用意される予定だという。

フォルクスワーゲンID.Buzzカーゴ
フォルクスワーゲンID.Buzzカーゴ    フォルクスワーゲン

商用タイプのID.Buzzカーゴの荷室は、3900Lもの容量を誇る。最大積載長は2200mm、高さは1250mm、幅は1700mmとなっており、ユーロパレットを2枚並べることができる。キャビンと荷室はパーティション(オプションで窓付き)で仕切られる。また、固定用レールと最大6個のラッシングポイントを備え、荷物の安全性を確保する。

サイドに23個の窓を持つマイクロバス・サンバの再現は見送られたが、パノラミックガラスルーフがオプションで用意されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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