最大7人乗りの電動バン 新型フォルクスワーゲンID.Buzz 欧州発表 「バス」の現代版

公開 : 2022.03.11 09:45

航続距離は約400km 4WD仕様も計画

初期モデルには、77kWhのバッテリーが標準装備されている。このバッテリーはフロア構造内に組み込まれており、フォルクスワーゲンが「背の高いバンとしては比較的低重心」と説明するように、重心が低くなっている。

後輪を駆動するのはリアアクスルアセンブリに搭載された同期電動モーターで、204psと31.5kg-mを発生する。出力はメルセデス・ベンツEQVと同じだが、トルクは5kg-m少ない。

フォルクスワーゲンID.Buzz
フォルクスワーゲンID.Buzz    フォルクスワーゲン

フォルクスワーゲンは、まだ公式の性能数値を発表していない。参考までに、同じようなパワートレインを持つID.4プロ(車重2109kg)の0-100km/h加速タイムは8.5秒と謳われている。一方、最高速度は145km/hに制限されている。

充電は家庭用電源で11kW、交流式で22kW、直流式で170kWまで対応。いわゆるプラグ&チャージ機能により、クレジットカード情報を充電器と通信することができる。また、DCウォールボックスでの双方向充電にも対応しており、ID.Buzzから家電製品に直接電力を供給したり、家庭用バッテリーの補充電を行ったりすることが可能だ。

正式な航続距離は未発表だが、フォルクスワーゲンはWLTPサイクルで約400kmと見込んでいる。

初期モデルのパワートレインは1種類のみだが、今後は最高出力170psと最大トルク31.5kg-mの後輪駆動シングルモーターも追加される。また、最高出力300ps、最大トルク46.8kg-mを発揮する四輪駆動デュアルモーターの高性能モデル「ID.Buzz GTX」も登場する見込みだ。

フォルクスワーゲンはAUTOCARに対し、スタンダードホイールベースには、52kWhの小型バッテリーも導入する計画であることを明らかにした。また、2023年に発売されるロングホイールベースでは、より大型の111kWhバッテリーを設定するという。

サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンクを採用。フォルクスワーゲンのDCC(ダイナミック・シャシー・コントロール)システムが搭載され、アダプティブ・ダンピングと最大3種類の走行モード(エコ、コンフォート、スポーツ)に対応している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事