クロスオーバーより良いかも? BMW 223i Mスポーツ・アクティブツアラーへ試乗 前編
公開 : 2022.03.23 08:25 更新 : 2024.08.16 16:18
SUV人気のなかで、根強い支持を集めるMPVのアクティブツアラー。英国編集部がその魅力を探りました。
クロスオーバーに影響を受けた2代目
欧州市場では、MPVと呼ばれるワンボックスカーは不調気味。ファミリーカーの主軸は、SUVやクロスオーバーへシフトしている。車内空間や実用性では多少劣り、価格も割高ながら、ユーザーが欲しいと思える要素を巧みにカバーしているためだろう。
実際、シトロエンC4 スペースツアラーやルノー・グランセニックといったモデルは、英国市場ではもはや販売されていない。しかし、BMWはアクティブツアラーを2代目へ進化させた。実は、根強い支持を集めているのだ。
初代アクティブツアラーが登場したのは2015年。それ以来、英国だけを見ても4万台という数を売りさばいている。その人気を維持するべく、BMWがクロスオーバーから影響を受けたと表現する、モデルチェンジが実施された。
同社初となる前輪駆動モデルとして登場した、2シリーズの派生モデルだった初代アクティブツアラー。最新型でも前輪駆動用のFAARプラットフォームを採用し、F40型1シリーズとの関係性も強い。
ボディのシルエットは、MPVとして典型的なワンボックス・スタイル。可能な限り車内空間が大きく取られている。またこのプラットフォームのおかげで、従来的な内燃エンジンだけでなく、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)にも対応している。
マイルドHVのほかにPHEVも登場予定
英国市場へ導入される2シリーズ・アクティブツアラーのグレードは、ディーゼルターボの218dのほかに、マイルドハイブリッド・ガソリンターボの220iと223i。トリムグレードは、スポーツとラグジュアリー、Mスポーツという3種類の展開となる。
225xeと330xeを名乗る2種類のPHEVも、2022年中には投入される予定。14.2kWhの駆動用バッテリーから、最長90kmを駆動用モーターだけで走行できるという。今回試乗したクルマは、223iのMスポーツだ。
BMWはクロスオーバーの影響、という言葉を2代目へ用いているが、実際の見た目からはわかりにくいと思う。観察すると、X2やX3といったモデルへ通じるスタイリング要素は見て取れるが、樹脂製のフェンダーアーチやアンダーガードなどは備わらない。
ボディサイズはひと回り大きくなり、現行の1シリーズと比べて67mm長く、25mm広くなった。全長は4386mmで、全幅は1824mm、全高は1576mmある。
アクティブツアラーには、BMW最新の運転支援システムが標準装備。英国価格は3万625ポンド(約475万円)からに設定された。PHEVでは、1万ポンド(約155万円)前後高くなるようだ。
さて、車内空間が優先されるファミリーカーとして、まずはインテリアから確認していこう。ハッチバックやクロスオーバーではなく、ワンボックスのMPVを選ぶ理由は、その実用性の余裕にあるといえる。