本気度を増すフォードの電動化 7車種の新型EV、2024年までに欧州発売 新戦略発表

公開 : 2022.03.15 06:05

人気モデルの「プーマ」もEVに

新型プーマEVについて、詳細はほとんど明らかにされていない。スチュアート・ローリーは、「EV仕様を販売するということ以外に、今日プーマについて言うことは何もありません」と口を閉ざした。

しかし、ローリーは、プーマEVがフォルクスワーゲンのMEBプラットフォームを使用しないことを認めた。MEBは、フォルクスワーゲンのIDシリーズに広く使われているプラットフォームで、提携の一環としてフォードと共有することになっている。

フォード・プーマEVのレンダリング
フォード・プーマEVのレンダリング    AUTOCAR

MEBを使わないということは、既存のプラットフォームの改良版か、まったく別のものを採用する可能性がある。

しかし、現行のプーマがベースとするフォード・フィエスタの将来性については疑問が残る。理論的には両モデルでプラットフォームを共有できるはずだが、サイズやボディスタイルの違いを考えると簡単なことではないだろう。

この点についてもローリーは明言を避け、次のように述べた。

「当社は2024年までのモデルについて、非常に重要な発表を行っています」

「もちろん、これで終わりというわけではありません。2030年までに乗用車を、2035年までに商用車をすべてEVにします。今後の計画の策定を楽しみにしています」

プーマは昨年、英国でフォードのベストセラー車となるなど人気の高いモデルだ。半導体不足と工場閉鎖の影響を大きく受け、販売台数が減少したフィエスタを引き離している。この影響は非常に大きく、フィエスタは販売台数ランキングの上位から姿を消しつつある。

2024年に計画されているプーマの電動化は、欧州フォードにとって重要なマイルストーンとなる。フォードはすでに、マスタング、F-150、トランジットなど、複数のモデルを電動化している。

また、パリ協定に基づき、2035年までに欧州でカーボン・ニュートラルを実現することも目標としている。その戦略の一環として他の自動車メーカーとも緊密に連携し、EVの新興企業であるリビアンには5億ドル(約590億円)を出資する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジム・ホルダー

    Jim Holder

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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