欧州カー・オブ・ザ・イヤー歴代受賞車 一挙紹介 後編 無名の迷車・珍車も数多し
公開 : 2022.03.19 06:06 更新 : 2022.03.19 07:06
欧州で最も高く評価されたクルマとは。欧州カー・オブ・ザ・イヤーを勝ち取った全59台を一挙に紹介する後編。
もくじ
ー1993年:日産マイクラ
ー1994年:フォード・モンデオ
ー1995年:フィアット・プント
ー1996年:フィアット・ブラーボ/ブラーバ
ー1997年:ルノー・メガーヌ・セニック
ー1998年:アルファ・ロメオ156
ー1999年:フォード・フォーカス
ー2000年:トヨタ・ヤリス
ー2001年:アルファ・ロメオ147
ー2002年:プジョー307
ー2003年:ルノー・メガーヌ
ー2004年:フィアット・パンダ
ー2005年:トヨタ・プリウス
ー2006年:ルノー・クリオ
ー2007年:フォードSマックス
ー2008年:フィアット500
ー2009年:オペル/ヴォグゾール・インシグニア
ー2010年:フォルクスワーゲン・ポロ
ー2011年:日産リーフ
ー2012年:オペル/ヴォグゾール・アンペラ
ー2013年:フォルクスワーゲン・ゴルフ
ー2014年:プジョー308
ー2015年:フォルクスワーゲン・パサート
ー2016年:オペル/ヴォグゾール・アストラ
ー2017年:プジョー3008
ー2018年:ボルボXC40
ー2019年:ジャガーIペイス
ー2020年:プジョー208
ー2021年:トヨタ・ヤリス
ー2022年:キアEV6
ー欧州COTYを最も多く受賞しているメーカーは?
1993年:日産マイクラ
本命のフィアット・チンクエチェントを抑えての受賞は並大抵のことではない。軽快で経済的なエンジン、優れた燃費性能、そしてキュートなスタイリングが、マイクラ(日本名:マーチ)を頂点に押し上げた。
丈夫なボディと集中ロック、ABSなど、当時としては素晴らしい安全装備も用意され、ユーザーをショールームに誘い込んだ。
しかし、腐食に弱く、生産が終了する頃にはリアフェンダーの辺りに錆びが目立つようになった。2002年まで生産され、その後、丸っこい外観のK12型にモデルチェンジしている。
1994年:フォード・モンデオ
欧州ではシエラ、米国ではマーキュリー・トパーズ、ニュージーランドや南アフリカ、オーストラリア、日本ではフォード・テルスターに代わる後継モデル。世界戦略車を目指し、ラテン語の「Mundus(世界)」を語源とするモンデオと名付けられた。
セルフレベリング・サスペンションとアダプティブ・ダンピングのおかげで、将来のフォードの雛形となるダイナミックかつ落ち着いたハンドリングを実現。これが高く評価され、受賞に至った。
前輪駆動のモンデオは、フォードの名高いクイッククリア・ヒーター付きフロントガラスを採用したほか、運転席エアバッグを発売当初から搭載した最初のクルマの1つとなった。
初代は150万台が生産された。1996年の大規模な改良(Mk2)では無機質なスタイリングに手を加え、スポーティなST24とST200が導入されている。
1995年:フィアット・プント
ジョルジェット・ジウジアーロがデザインした可愛らしいプントは、審査員から「室内空間が広い」「作りがいい」と好評を博した。3ドア、5ドアのハッチバックとコンバーチブルがあり、非常にお買い得であることも評価された。
エンジンの多くはウーノから受け継がれ、FIRE(Fully Integrated Robotised)エンジンも導入。旧型の鋭いハンドリングはそのままに、より成熟したパッケージングとなった。
1997年には、フィアット独特の「ブルーム・イエロー」ペイントを施した最高出力136psのプントGTが登場。初代プントは1999年まで販売され、その後、新型に切り替わった。今でも欧州では数多く見かけることができる。
1996年:フィアット・ブラーボ/ブラーバ
前年に続き、フィアットの2連勝。新世代のスモールファミリーカーとして、斬新なアプローチを試みたモデル。3ドアのブラーボ(男性系感嘆詞)が正確なハンドリングを提供するスポーティなモデルであるのに対し、5ドア・リフトバックのブラーバ(女性系感嘆詞)は快適性を重視したモデルであった。
両モデルともコストパフォーマンスと品質に優れ、プジョー406から首位を奪った。また、このクラスでは比較的珍しい個性的なデザインも評価ポイントとなった。
1999年のフェイスリフトでは、新しいJTDディーゼルエンジンが導入され、高性能仕様のHGTはVVT(可変バルブタイミング)を受けて出力が8psアップし、157psとなった。2001年に後継のフィアット・スティーロと交代している。
MPVのムリティプラとリアナもブラーボ/ブラーバのプラットフォームから派生した。