欧州カー・オブ・ザ・イヤー歴代受賞車 一挙紹介 後編 無名の迷車・珍車も数多し

公開 : 2022.03.19 06:06  更新 : 2022.03.19 07:06

1997年:ルノーメガーヌ・セニック

メガーヌ・セニックは、ある意味で画期的なモデルであった。2位のフォード・カー(Ka)に100点以上の差をつけ、ミニバンとして初の受賞を果たしたのだ。ルノーは1日450台の販売を見込んでいたが、フランス北部のドゥエ工場で1日2500台を生産するほどの人気があった。

ハッチバックのメガーヌと基本構造的は同じであるため、生産コストが安く、ガソリンエンジンもディーゼルエンジンも経済的で、その優れた実用性から購入者にも欧州COTY審査員にも非常に人気のあるモデルとなった。

1997年:ルノー・メガーヌ・セニック
1997年:ルノー・メガーヌ・セニック

1999年のマイナーチェンジで「セニック」に改名。四輪駆動モデルのRX4は、当時は少し揶揄されていたが、結果的には時代の先端を行くものだった。2003年には、7人乗りのグランドとともに、2代目セニックが誕生している。

1998年:アルファ・ロメオ156

ウォルター・デ・シルヴァがデザインした156は、454点を獲得し、競争を制した。強力なツインスパークエンジンとV6エンジンが、このクルマの軽快なキャラクターを引き立て、上質なハンドリングと落ち着いたシャシーで審査員を魅了した。

また、隠されたリアドアハンドルや無駄のないプロファイルなどの端正なデザインが印象的で、洗練された快適な乗り心地も魅力の1つだ。

1998年:アルファ・ロメオ156
1998年:アルファ・ロメオ156

不運だったのは、錆びやすいクルマであったことと、年数が経つにつれて電気系統が壊れやすくなったことだ。2003年にフェイスリフトが行われ、2004年にはアルファ・ロメオ159にバトンタッチされた。

1999年:フォード・フォーカス

ダイナミックな「ニューエッジ」スタイルと、革新的な「コントロールブレード」リアサスペンションによる画期的な動力性能で、初代フォーカスは新しい基準を立ち上げた。平凡なエスコートMk5から大きく飛躍し、審査員に印象付けた。2位のオペル/ヴォグゾール・アストラには175点の差をつけている。

手頃な価格と幅広いボディスタイルも魅力的で、燃費の良いゼテックエンジンも批評家の間で大いにウケた。フォーカスは一時期、世界で最も売れたクルマとなった。英国でも販売台数1位を獲得し、2005年に2代目が発売されるまで、その座を守り続けた。

1999年:フォード・フォーカス
1999年:フォード・フォーカス

1998年のデビュー以来、これまでに1600万台のフォーカスが販売され、2018年には4代目モデルが発売されたが、依然としてクラストップのハンドリングを誇り、活躍を続けている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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