欧州カー・オブ・ザ・イヤー歴代受賞車 一挙紹介 後編 無名の迷車・珍車も数多し

公開 : 2022.03.19 06:06  更新 : 2022.03.19 07:06

2011年:日産リーフ

初の完全な市販EVとして、リーフはちょっとした物議を醸す。欧州COTYは、素晴らしいクルマだからというよりも、「環境に優しい」ことを理由に賞を授与したと批判されたのだ。時代を先取りしたリーフだったが、航続距離200km(気温と個人の使用状況による)という数値では、実用性への疑問を拭い去ることができなかった。

2010年から2017年まで、バッテリーは小改良を受けたが、外観はそのまま変わらず。2018年から発売された第2世代は、バッテリーや技術がはるかに向上し、約270kmの航続距離を誇っている。

2011年:日産リーフ
2011年:日産リーフ

2012年:オペル/ヴォグゾール・アンペラ

日産リーフの使い勝手を懸念したGMは、バッテリー駆動のクルマに内燃機関を組み合わせ、航続距離への不安を払拭した。これにより、最大117km/lの燃費と480kmの航続距離を達成している。

高速走行時にはエンジンが作動するものの、同社は「ハイブリッド」という言葉を使うことを避け、「航続距離を伸ばすガソリンエンジン(レンジエクステンダー)」を搭載したEVと表現。新車購入時の政府補助金を獲得することに成功した。

2012年:オペル/ヴォグゾール・アンペラ
2012年:オペル/ヴォグゾール・アンペラ

アンペラは米国ではシボレー・ボルトの名前で呼ばれていた。ボルトは2017年に2代目が作られた後、2019年に生産終了となった。

2013年:フォルクスワーゲン・ゴルフ

ゴルフは過去38年間、どの世代も欧州COTYのトップ3に入っている。2013年も7代目がその流れを汲み、2位のトヨタGT86/スバルBRZの2倍以上の点数を獲得し、逃げ切った。2度の受賞は、2006年のルノー・クリオ以来、2台目となる。

7代目のGTI、GTD、Rモデルは2019年に生産終了となったが、ゴルフGTEはe-ゴルフの成功により若干早めに生産終了となった。完全電動モデルであるe-ゴルフは、同世代の最後の名残として2020年まで生産が継続された。

 2013年:フォルクスワーゲン・ゴルフ
2013年:フォルクスワーゲン・ゴルフ

2014年:プジョー308

電動化の新時代が形作られる中、プジョーは308によって若返りを示し、BMW i3テスラモデルSのような競合を退けた。

新型308は、プジョーにとって4度目、12年ぶりの欧州COTY受賞である。スタイリングを一新し、洗練させたことで、10年以上にわたって劣勢だった主力ハッチバックを、ゴルフなどのライバルと肩を並べるまでに成長させたのだ。

2014年:プジョー308
2014年:プジョー308

2017年、ボンネット、フロントバンパー、インジケーター、グリルのデザインが新しくなり、顔つきが変わった。最高出力82psの1.2L VTiを搭載するエントリーモデルから、マッサージシートやトルセンリミテッドスリップデフ、19インチ軽量ホイールを誇る最高出力270psのGTIまで、ラインナップは多岐にわたる。新世代の308は、2022年に登場する予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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