欧州カー・オブ・ザ・イヤー歴代受賞車 一挙紹介 後編 無名の迷車・珍車も数多し

公開 : 2022.03.19 06:06  更新 : 2022.03.19 07:06

2015年:フォルクスワーゲンパサート

1973年の発売以来、パサートはフォルクスワーゲンのベストセラーモデルの1つとして君臨している。8代目が発売された時点で、全世界で累計2200万台が販売されたという。

8代目パサートは、そのパワートレイン、特に最高出力240psのツインターボ2.0 TDCIが高く評価された。最新の7速DSGも採用されている。シトロエンC4カクタスやメルセデス・ベンツCクラスを抑えて1位を獲得した。

2015年:フォルクスワーゲン・パサート
2015年:フォルクスワーゲン・パサート

パサートの立ち位置はニッチなもので、BMWアウディ、メルセデスといった高級車と、スコダヴォグゾールなど大衆車との間にある。何度かスタイリングがアップグレードされ、今でも新車で購入することができる。しかし、フォルクスワーゲン・グループ内では、人気の高い兄弟車スコダ・スペルブとの競争にさらされている。

2016年:オペル/ヴォグゾール・アストラ

アストラは一から再設計され、新しいD2XXプラットフォームを採用。使いやすさ、性能、外観、経済性でライバルを凌駕し、先代モデルから最大200kgの軽量化を実現した。ホイールベースが若干短くなったものの、室内空間を拡大し、居住性を確保。ボルボXC90を僅差で破った。

2019年のフェイスリフトでは、新形状のボンネットとグリル、彫りの深いリアエンドが採用された。9速AT、乗り心地の改善、新しいエンジンの追加など、最新の状態を保ち、フォード・フォーカスやフォルクスワーゲン・ゴルフに挑んでいる。欧州で販売されるアストラのほとんどは、イングランド北西部で製造されている。

2016年:オペル/ヴォグゾール・アストラ
2016年:オペル/ヴォグゾール・アストラ

2017年:プジョー3008

コンパクトSUVやクロスオーバーの需要が高まったこの時期、プジョー3008の発売は最高のタイミングだった。小径ステアリングホイールの上に計器類を配置する「iコクピット」は、当時としては非常にユニークなレイアウトで、審査員の心をつかむのに大いに貢献した。

この2代目3008は、発売以来、欧州市場のSUV/クロスオーバークラスでベストセラーになっている。そのため、PSAは今後数年のうちに3008を米国に導入することを計画している。

2017年:プジョー3008
2017年:プジョー3008

3代目の3008は、2023年後半に欧州市場に投入される予定だ。

2018年:ボルボXC40

ボルボ最小のSUVであるXC40は、新型XC90とXC60で人気を博したスタイル、快適性、気品を、よりコンパクトで扱いやすいサイズにまとめている。

ユニークな安全装備やハイブリッドをはじめとするさまざまなパワートレインを用意する、魅力的で風変わりなパッケージとなり、審査員は2位のセアト・イビザに83点の差をつけてXC40を欧州COTYに選んだ。

2018年:ボルボXC40
2018年:ボルボXC40

ボルボは、2025年までに世界販売の50%をEV、残りをハイブリッド車にすることを目指し、毎年少なくとも1台の新型EVを発売しようとしている。このクルマにも、XC40リチャージP8というEV仕様が用意されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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