欧州カー・オブ・ザ・イヤー歴代受賞車 一挙紹介 後編 無名の迷車・珍車も数多し

公開 : 2022.03.19 06:06  更新 : 2022.03.19 07:06

2019年:ジャガーIペイス

ジャガー初のEVへの挑戦は、成功だったと言ってよいだろう。2019年の欧州COTYで1位を獲得したIペイスは、テスラモデルXアウディeトロンといったライバル車よりも優れたドライバーズカーであると広く評価されている。クラストップのドライビング・エクスペリエンスとプレミアム感も審査員の支持を得た。

ノルウェーやオランダのようなEVフレンドリーな市場では堅調な売れ行きを見せているが、現在はドイツのライバルとの競争が激しくなってきている。

2019年:ジャガーIペイス
2019年:ジャガーIペイス

2020年:プジョー208

2020年、プジョー208は、242点を獲得したテスラ・モデル3や、222点のポルシェタイカンに大差をつけてトップに輝き、トロフィーを手に入れた。ルノー・クリオはフォード・プーマを抑えて4位、トヨタカローラが6位、BMW 1シリーズが7位となった。

過去、504(1969年)、405(1988年)、307(2002年)も優勝しており、プジョーの優勝回数は合計6回となっている。

2020年:プジョー208
2020年:プジョー208

プジョーは2020年に20万台弱の208を販売したとされるが、この数字には先代モデルも含まれている。とはいえ、この年は全体的に非常に厳しい年であったため、非常に堅実なスタートであったといえる。

2021年:トヨタ・ヤリス

2021年は、トヨタ・ヤリス(欧州ではハイブリッドのみ)が首位に立った。フィアット500エレクトリック(240点)、クロスオーバーのクプラフォーメンター(239点)を退け、266点を獲得している。

この他、フォルクスワーゲンID.3(224点)、スコダ・オクタビア(199点)、ランドローバーディフェンダー(164点)、シトロエンC4(143点)が7台の最終候補に残った。ヤリスの受賞は、2000年の初代モデル以来、2度目となる。

2021年:トヨタ・ヤリス
2021年:トヨタ・ヤリス

ラリーカーをモチーフにした3ドアのGRヤリスも、誰もが気に入るホットハッチとなっているようだ。欧州仕様のGRヤリスは四輪駆動で最高出力260psを発揮し、英AUTOCAR編集部の徹底的なロードテストで最高評価の5つ星を獲得した数少ないクルマである。しかも価格は3万ポンド(約460万円)程度である。トヨタが再び、心を燃やすクルマを作るようになったのは素晴らしいことだ。

2022年:キアEV6

スイス・ジュネーブにあるパレクスポ展示場で行われたセレモニーでは、キアのEV6が2022年の欧州COTYに選ばれた。この展示場では通常ジュネーブ国際モーターショーが開催されるが、同イベントは3年連続の中止が決定している。

EV6は、キアとして初の受賞であり、純粋なバッテリーEVとしては3台目の受賞となった。279点を獲得し、他の6台の候補車との拮抗した競争を制した。2位は265点のルノー・メガーヌEテック・エレクトリック、3位は261点のヒュンダイ・アイオニック5と、上位3台はすべてEVである。

2022年:キアEV6
2022年:キアEV6

以下、プジョー308(191点)、スコダ・エンヤク(185点)、フォード・マスタング・マッハE(150点)、クプラ・ボーン(144点)の順となった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

おすすめ記事

 

人気記事