「DS 9」日本価格を発表 フランスびいきも納得? 高級セダンの内装/サイズを解説

公開 : 2022.03.17 10:03  更新 : 2022.04.23 12:06

内装 「豪華」「優美」な世界

インテリアも、DSのフラッグシップにふさわしい優美なフレンチ・ラグジュアリーそのものの空間だ。

2895mmのロングホイールベースにより室内空間は広く、膝下レッグスペースは約277mmもあるリアシートは「DSラウンジ」と呼ばれるコンセプトで作り上げられた。

DS 9オペラの内装(日本仕様は右ハンドル)。
DS 9オペラの内装(日本仕様は右ハンドル)。    ステランティスジャパン

上級グレードの「オペラ」はアールルビイと呼ばれるムラ染めのある深紅のレザーをあらゆる部分に貼り込んでいる。

シートはDSオートモビルのシグネチャーともいえるウォッチストラップデザインを採用し、インテリアの要所要所にパールトップステッチをあしらった。

エントリーグレードの「リボリ」は、インテリアにダイヤモンドパターンのステッチを施したバサルトブラックのレザーを採用。

インパネ中央には8インチのタッチスクリーンが備わり、その上にはフランスのラグジュアリーウォッチブランド「B.R.M」のアナログ時計を、下にはタッチコントロールスイッチと、ひし形に彫りが入ったボリュームダイヤルが備わる。

スクリーンには主要なコントロールパネルが表示され、車両セッティングなどが1か所にまとめられている。このスクリーンとメーターパネルにも、ひし形の反復によるグラフィックが用いられ、オリジナルフォントのスタイルとあいまって、1920年代にフランスで生まれ、世界に波及したアール・デコ様式の系譜を彷彿とさせる。

日本仕様 ガソリン/PHEVの2択

DS 9のプラットフォームは、C/D/Eセグメント用として既に好評価を得ている「EMP2」をベースにバージョンアップしたものだ。ホイールベースはEMP2最長の2895mmに延長し、サイドシルを強化している。

パワートレインは1.6Lの直4ガソリンターボと、これにモーターを組み合わせたPHEVの2種類で、トランスミッションはいずれも8速AT。駆動方式は前輪駆動(FWD)のみだ。

EセグメントのサルーンでFWDは珍しいと思われるかもしれないが、DSの源流であるシトロエンは1930年代から「トラクシオン・アヴァン(フランス語で前輪駆動の意味)」と呼ばれるFWD車を作り続けている。
EセグメントのサルーンでFWDは珍しいと思われるかもしれないが、DSの源流であるシトロエンは1930年代から「トラクシオン・アヴァン(フランス語で前輪駆動の意味)」と呼ばれるFWD車を作り続けている。    ステランティスジャパン

プロペラシャフトが不要なため軽量で低重心、しかも室内も広いというメリットに着目した合理的なフランス車メーカーは、20世紀後半ころから小型車はもちろん大型車までFWD車が主流となった。いまや、日本をはじめ多くの国のメーカーもD/EセグメントにまでFWD車を多く輩出するようになっている。

話を戻そう。DS 9のエンジンは「ピュアテック」と呼ばれ、1.6Lの直4ガソリンターボは最高出力225psと最大トルク30.6kg-mを発生。ハイパワー&高トルクながら高い効率性を実現している。

PHEVは200ps/30.6kg-mを発生する1.6Lの直4ガソリンターボに、110ps/32.6kg-mを発生するモーターを組み合わせた。システム総合で、250ps/36.7kg-mというハイパフォーマンスを誇る。

0-100km/h加速は8.1秒、EVモードでの最高速度は135km/h。欧州WLTCモードで、EV走行可能な距離は61km、ハイブリッド燃費は14.0km/Lとされている。

駆動用のリチウムイオン電池はリアシート下に配置されて前後重量配分の最適化を図り、200Vの普通充電で3kWなら約5時間、6kWなら約2時間半で満充電できる。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事