レクサスNX 詳細データテスト 内装とインフォテインメントは大幅に進歩 動力系と乗り心地は要改善

公開 : 2022.03.26 20:25  更新 : 2022.03.27 14:56

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

NXは、トヨタ九州の宮田工場で生産される。プラットフォームはトヨタのRAV4やハイランダーと同じTNGA−Kで、先代に対して全長と全幅は20mm程度、ホイールベースは30mm拡大された。トレッドの拡大幅はそれ以上で、フロントは35mm、リアは55mmほど。ただし、サスペンション形式は同じで、フロントはマクファーソンストラット、リアはダブルウィッシュボーンだ。

モノコックは並外れて剛性が高い、とレクサスは説明する。重要度の高いロッカーアウター補強パネルは、世界初採用という1180MPaハイテン鋼のテーラードブランク材で、ルーフ補強には1470MPa冷間圧延鋼板を用いた。また、ハッチバック開口部は高剛性発泡材を配置し、ヤマハが開発した車体制振ダンパーを前後に装着。ボンネットには、レクサス初のツインロック構造も導入し、剛性向上と振動抑制を図っている。

テストしたNX350hのパワートレインは、2.5L直4ガソリンとモーターのハイブリッドと、後輪駆動用モーターが搭載される。システム出力は244psに達する。
テストしたNX350hのパワートレインは、2.5L直4ガソリンとモーターのハイブリッドと、後輪駆動用モーターが搭載される。システム出力は244psに達する。    MAX EDLESTON

Fスポーツ仕様には、スタビリティ向上のためにさらなる手段が講じられている。最新版のアダプティブバリアブルサスペンション(AVS)はアクチュエーターにリニアソレノイドを使用し、減衰力調整に磨きがかけられた。

テスト車は標準サスペンション仕様で、走行モードに応じて2段階の調整が可能だが、AVSほど高性能ではない。ステアリングラックは全車とも、先代より20%クイックに設定されている。

パワートレインは、2487ccアトキンソンサイクルのガソリンエンジンと電気モーターで構成。車速とエンジンや駆動用モーターの回転差を補正するスレーブモーターを備え、ふたつの駆動力をそれぞれ扱うプラネタリーギアを組み合わせる。先代のシステムより24%パワフルで、CO2排出量は22%低いという。また、電力のみでの走行も可能だ。

ベーシックなNX350hは前輪駆動だが、それ以外には電動4WDのE−Fourで、フロントのハイブリッドパワートレインからは独立した後輪駆動用のモーターをリアに搭載する。前後トルク配分は、路面状況などに応じて60:40から20:80まで変更可能だ。

NX350hのシステム総合出力は244ps。NX450h+は300psを上回り、EV走行の航続距離は最大72kmに達する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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